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 輝きびと interview:41
くま経プレス 2013年11月 vol.286
河原町をクリエーターが育つ町に
昭和初期のレトロな看板が並ぶ旧河原町繊維問屋街で
河原町文化開発研究所 代表
黒田 惠子 さん(GALLERY ADO 代表)
 昭和初期のレトロな街並みを生かし、「アート」を切り口にしたまちづくりが進む熊本市中央区河原町の旧河原町繊維問屋街。毎月第2日曜日には「河原町アートの日」が開かれ、県内外から多くのクリエーターやデザイナーが集う。コーディネーター役を務める河原町文化開発研究所代表の黒田恵子さんに河原町の取り組みや今後の活動などを聞いた。

くろだ・けいこ/熊本市出身。1966(昭和41)年11月6日生まれの46歳。熊本女子商業高校(現熊本国府高校)を卒業後上京し、モデル・タレント業、画廊勤務を経て、フリーランスでフラワーコーディネーターとして活動。帰郷後、河原町との出会いから、04年2月に同地にギャラリーカフェ「GALLERY ADO(ギャラリーアドゥ)」を出店。同年12月に河原町文化開発研究所が発足し、同団体の代表として、街の再生(コミュニティアート)に携わる。また、アート関連のコーディネーターとして、企業との連携、表現の場の創出に励む
―「河原町アートの日」には毎回、多くのクリエーターが集まっていますね。
黒田 毎回30人ほどのクリエーターやデザイナーが参加するイベントとして、幅広い世代のクリエーターの方の表現の場として活用いただいています。10年ほど前は大がかりなものを行っていましたが、6年前から河原町繊維問屋一帯をクリエーターたちの展示・販売の場所として出展者たち中心のイベントにすることで、幅広い世代に参加いただきながら継続できていることはとてもありがたいことですね。
―今年は光の森や動植物園などにも活動の場を広げていますね。
黒田 河原町の周知なども目的に今年は企業等でのイベントなどにも出店しています。また今年7月には2年前にも採択されたアサヒビールの文化支援事業「アサヒ・アート・フェスティバル(AAF)」に再び採択を受けて、熊本市動植物園で新たなイベントを行いました。それから11月23日には「河原町アワード2013」を開催します。河原町に集うクリエーターたちのスキルアップになるよう毎年開いていて、今年で5回目を迎えます。毎回50組の作品が一堂に並ぶ公開審査イベントで、ゲスト審査員は東京からお招きするなど、今後の活動に向けたきっかけづくりにもつなげています。
―河原町に出店し、コーディネート役を務めるようになったきっかけは。
黒田 10年前に初めてこの河原町に出会い、昭和初期のレトロな雰囲気で何とも言えない空間に衝撃を受けたことです。その当時、クリエーターの誘致による街の再生がスタートしたばかりで、ここに集まるクリエーターの発表の場や、気軽に集まれる場所を提供できればと思い、ギャラリーカフェをオープンしました。2階のギャラリーでは個展や演劇など幅広くご利用いただいています。これから成長していくクリエーターのきっかけづくりや、コーディネート支援などができる場にもしていきたいですね。
―今後の活動については。
黒田 活動を続けて10年が経って知名度がアップした一方で、イベント開催日以外は人通りが少なく、入居者は増えたものの、不定営業の店舗が目立つなど街の再生には課題もあります。その中で「河原町アートの日」などクリエーターたちのきっかけづくりや集客につなげる取り組みを続けることで、河原町を熊本における文化の発信拠点にしていきたいと思います。また河原町以外でもイベントを企画しながら、熊本の文化の継承や発展、そしてクリエーターが育っていける環境づくりにも取り組んでいきます。
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