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くま経プレス 2014年2月 vol.289
BDFの普及で環境大臣賞受賞
自然と未来且ミ長
星子 文さん
 飲食店や家庭などから集められた食用廃油を軽油の代替燃料となるバイオディーゼル燃料(以下BDF)に精製する事業を行っている自然と未来梶i熊本市東区小山2丁目)。昨年12月には環境にやさしい資源循環型燃料として注目されているBDFの普及活動により、地球温暖化防止活動環境大臣賞を受賞した。地産地消エネルギーの推進を呼び掛ける星子社長を本社に訪ね、話を聞いた。

ほしこ あや/熊本市東区長嶺東出身。1975(昭和50)年6月25日生まれ、38歳。中九州短期大学卒。勤務していた運送会社でバイオディーゼル燃料と出会い、熊本県立大学環境共生学部の篠原亮太教授(当時)の技術支援などを受け、2010年(平成22年)4月同社設立。2013(同25)年7月、第22回くまもと環境賞でくまもと循環型社会賞、同年12月には環境省の地球温暖化防止活動環境大臣賞を相次ぎ受賞。BDF取扱量は月間約2万5000リットルで、地元の運送、産廃会社や自然栽培にこだわる農家などに販売   
−環境大臣賞の受賞おめでとうございます。


星子 ありがとうございます。当社は廃食油を産業廃棄物にするのではなく、軽油の代替燃料となるBDFに生まれ変わらせ、地球温暖化防止やCO2削減を目指した低炭素社会の実現に取り組んでいます。仕事を通して熊本の自然を守り、未来の子どもたちに繋げたいという想いをご理解いただき、当社のBDFを使っていただいている企業や農家の皆さんにも感謝しています。


−「BDF」は、どんな特徴がありますか。


星子 食用廃油を精製して作るBDFは、もともと大気中の二酸化炭素を吸収した植物から作られるため、大気中に存在した以上の二酸化炭素を増やさないとされています。そのため、地球温暖化の防止効果や酸性雨の原因とされる硫黄酸化物をほとんど出さず、石油を精製して作られる軽油に比べて黒煙も3分の1以下になるなどの特徴があり、人にはもちろん、植物や動物にもやさしい資源循環型エネルギーです。


−BDF普及のための啓発活動も大切ですね。


星子 弊社の取り組みに賛同してくださった方々(行政・市民団体・企業)が、「わくわく油田プロジェクト」の名称で熊本BDF利用推進協議会を立ち上げ、スーパーや飲食店に廃油回収ボックスを設置し、食用廃油リサイクル事業を進めています。現在、オーガニックショッピングモール「ナチュラル&ハーモニックピュアリィ」(中央区中唐人町)やスーパー「入船市場」(北区植木町投刀塚)などに回収ステーションを設置しているほか、休日には母親サークルなどに出向いたり、地域のイベントにブースを出展し、環境にやさしいBDFを紹介し、廃油回収の拡大やリサイクル活動の啓発を行っています。


−品質向上や販路拡大の取り組みは。


星子 東光石油さんと協同で取り組んでいるBDFの普及事業が総務省の地域経済循環創造事業交付金事業に採択され、この交付金を利用して自社精製プラントに減圧蒸留器2基を導入しました。これにより従来98%だった純度は99.9%となり、経済産業省が定める強制規格26項目をすべてクリアしました。この自社BDFに「くまエネ」のブランド名を冠して、BDF100%の「くまエネ100」を通常の軽油より安い1リットル110円(税別)で販売しています。
また、東光石油本荘給油所では当社のBDFを5%混合した軽油燃料「くまエネ5.0」を販売しています。地産地消エネルギーを気軽に使っていただくことで、地球温暖化防止やCO2削減につながることを知っていたただく機会になればと考えています。
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