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くま経プレス 2007年4月 vol.207
医薬知識を高め、「顔の見える薬剤師」に

社団法人 熊本県薬剤師会 会長
佐伯 順一さん
 国民の健康を守るという役割の一翼を担う薬剤師約2100人で組織する社団法人 熊本県薬剤師会。「規制緩和や大学教育の改革など、薬剤師が置かれる環境も大きく変化しており、今はまさに過渡期」と現在2期目の佐伯順一会長。薬剤師会の役割や今後の取り組むべき課題などについて佐伯会長に話を聞いた。

◆さえき じゅんいち/菊池郡(現菊池市)泗水町出身、昭和23年4月3日生まれの59歳。済々黌−京都薬科大学卒。日本新薬梶i京都市)を経て、30歳で帰熊し、一般医薬品の薬局を開業。現在泣pートナーの社長として保険調剤薬局3店のほか訪問介護ステーションを経営している。趣味は旅行
―薬剤師会の現在の取り組みは。
佐伯 昨年4月から薬学教育が4年制から6年制になりました。国会で可決されたわけですが、裏を返せば薬剤師に医療の安全面でもっと関わってもらいたい、もっと研さんを積んでもらいたい、といった期待の表れではないでしょうか。その期待に応えるべく薬剤師会としても取り組んでいかなければいけません。2年間延びて何も変わらなかったではいけませんから、薬剤師会では日々進歩する医療の変化に対応できるように、現在薬剤師として働いている方々に対して研修会を行っています。薬の専門家として更に高度な知識を身に付けてもらうと共に、時代のニーズに合った対応をしていただくことが必要ですからね。また、熊本県では「顔の見える薬剤師」を浸透させようと、会員の薬剤師は顔写真や登録番号が明記された名札をつけるようにしています。
―医薬分業も進んでいるようですが。
佐伯 全国平均で50%強、熊本もほぼ同様です。本来、薬と名の付くものには薬剤師がかかわり、薬剤師による薬のチェックは必要だと思います。相互作用や副作用の問題などを含め、1人ひとりにあった説明も必要ですから。そういった意味では薬の相談はもちろん、健康問題なども相談できる「かかりつけ薬局」、言い換えれば「かかりつけ薬剤師」を持つことが大切です。
―現在の会員数は。
2003年6月に完成した熊本県薬剤師会館(熊本市萩原町)
佐伯 約2100人です。毎年少しずつ増えていますが、絶対数としては不足しています。医師と同じで特に地方での薬剤師不足は切実な問題となっています。
―薬剤師会としての課題は。
佐伯 薬学教育が6年制に延びたことで、病院で2.5カ月、保険調剤薬局で2.5カ月の臨床実習が必要になります。その実習時には指導薬剤師が学生を指導することになりますから、現在は指導薬剤師の育成を進めています。また、公益法人としての役割ですが、緊急災害時の対応マニュアルを各薬剤師が持ち、緊急時に対応できるようなシステムづくりに取り組んでいきます。災害時などには一般医薬品(OTC薬)も含め様々な薬が被災地に集まってきますが、それぞれの薬の作用や副作用、相互作用をきちんと理解している薬剤師の役割は重要です。また、薬剤師の役割や薬の正確な情報などを県民の皆さんに理解してもらう意味でも、県民公開講座などを積極的に開いて啓蒙、啓発に努めていきます。
―ところで、大学卒業後は薬剤師に。
佐伯 卒業後、京都市の日本新薬鰍ニいう製薬メーカーに勤務し、営業を担当していました。30歳で熊本に戻り、薬局を開業し、現在は保険調剤薬局3件、訪問看護ステーション1件を経営しています。会長として公務も多いのですが、それでも週に2、3日は現場に出て、患者さんと接するように努めています。
―ご趣味は。
佐伯 今の楽しみは家内との休養を兼ねた旅行です。温泉旅行が中心ですが、年に2、3回は海外にまで出かけます。一番良かったのはグァム。暖かいところで、予定を入れずにゆっくり過ごすのがいいですね。
―ありがとうございました。
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