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くま経プレス 2007年5月 vol.208
法的サービスのニーズをとらえ、市民に開かれた弁護士会に
熊本県弁護士会 会長
三藤省三さん
 法科大学員の設置による弁護士の増員や2年後に迫った裁判員制度の導入など、司法制度改革が進み、われわれを取り巻く環境は大きく変化しつつある。4月1日付けで熊本県弁護士会会長に就任した三藤省三弁護士に会としての今後の取り組みや課題、プライベートなどについて聞いた。

◆さんとう しょうぞう/1952(昭和27)年10月9日生まれ54歳。熊本市秋津出身。熊本高校―九州大学法学部卒。78(同53)年10月司法試験合格。81(同56)年4月弁護士登録。熊本市花畑町で弁護士事務所を開業している。
―会長になって取り組まれることは?
三藤 私が弁護士会会長になるにあたってマニフェストを作成し、会員に配りました。内容は今後取り組むべき課題として、法律相談事業の強化、刑事弁護の強化、中長期ビジョンの3項目についてまとめています。
―その内容は。
三藤 法律相談事業の強化は、法律相談センターの利用促進などが挙げられます。市民の身近な窓口として、30分5,250円で弁護士が相談を受け付けており、4月からはサラ金に関する相談を無料化しました。熊本市では産業文化会館5階にあり、隣には法務省管轄の「法テラス」もあります。もし、何か問題を抱えている時にはどちらかに電話してもらえれば、容易に弁護士にアクセスでき、相談できます。まわりに頼れる人がいない場合などは積極的に利用してください。刑事弁護の強化については、2年後に迫った裁判員制度導入について触れています。裁判員に弁護人の主張がわかりやすく伝わるよう、プレゼンテーション用のソフトを活用したり法律用語を噛み砕いて話すなど、従来の弁護活動とやり方が変わってくる部分への対応が必要になります。会としては勉強会を行い、スムーズに対応できるよう研究を進めていきます。中長期ビジョンは弁護士が少ない、もしくはまったくいないという弁護士過疎地対策などです。そういった場所で開業する弁護士をバックアップするなど、実情を把握した上で対応策を検討していきます。
―広報活動も積極的に行っていらっしゃいますが。
三藤 まず、ホームページの有効活用に着手しました。会が主催するイベントやお知らせなどはこまめに更新し、情報として流していきます。また、今般熊本県の弁護士を取り扱い業務や所在地などから検索できる「ベンゴシナビweb」をホームページ上に公開しました。ホームページ以外にも積極的に広報活動を行い、一般の人に弁護士会の活動をもっと知ってもらい、身近に感じられるようにできればと考えています。また、今後取り組んでいく課題のひとつとして、ADR(裁判外紛争解決)があります。これは弁護士会に仲裁機関を設けて、当事者双方から話を聞き、解決策を提示するという新しい形の解決法です。短期間になるべく安い費用で物事を解決する方法として期待できます。現在、設置に向け準備中です。
―会長としての抱負は。
三藤 弁護士というと敷居が高く、近寄りがたいと思われがちですが、人々が必要としている法的サービスをニーズとして正確にとらえ、敷居の低い市民に開かれた弁護士会にしたいと考えています。
―ところで、ご家族は。
三藤 妻と娘が4人います。妻は書道教室を開き、近所の子供たちに教えています。娘は23歳の長女が立命館大学院、21歳の次女が熊本大学文学部、三女が立命館大学法学部、四女は中学2年生です。妻とは先輩弁護士の事務所で勤務弁護士をしていた時代に、依頼者からの紹介で知り合い、30歳の時に結婚しました。
―ご家族で男性はお一人だけですね。
三藤 私は隅の方で小さくしていますよ(笑い)。みんなよくしゃべりますから主に聞き役に回っています。
―趣味は。
三藤 旅行や山登りです。中国に関心が強く、よく行っています。山登りは東京にいた頃には北アルプスや南アルプスにも行きましたよ。こっちに帰ってきてからはよく久住に登ったりしています。最近だと、去年市房山に登りました。登った後の眺めや達成感がいいですね。
―ありがとうございました。
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