${HeadTitle}|くまもと経済
くま経プレス
もどる ホーム
 トップインタビュー
くま経プレス 2006年12月 vol.203
「法テラス熊本」スタート、法的トラブル解決の窓口に
日本司法支援センター熊本地方事務所 所長(弁護士)
建部 明さん
 司法制度改革の柱として10月2日に開所した日本司法支援センター熊本事務所(法テラス熊本)。今後、さまざまな法的トラブルを解決するための情報提供や相談の窓口として、司法を身近に感じさせる役割が期待される。初代所長に就任した建部明所長に業務内容やプライベートについて話を聞いた。

たてべ あきら/昭和23年10月1日生まれの58歳。熊本市花園町出身。神戸大学法学部卒。昭和47年9月司法試験合格。同48年司法研修所入所、同50年終了し、弁護士会入会。平成14年度熊本県弁護士会会長。清水亀井町で弁護士事務所を開業している。
―「法テラス熊本」について。
建部 設立の背景として、法的なトラブルのうち2割しか正当な司法での解決がされず、残り8割は権利主張ができないままうやむやに終わっている「2割司法」といわれる状態が挙げられます。この原因と考えられる「弁護士事務所の敷居が高い」「裁判所が近寄りがたい」などというイメージを払拭すべく、司法制度改革審議会での「市民の司法アクセスの改善」についての答申のもと、構想されたのが日本司法支援センターです。「総合法律支援法」に基づいて全国に設置することが決められ、その後「法テラス」という愛称が決められました。
―業務内容は。
建部 大きく分けて5つあります。まず、司法制度や相談先を紹介する情報提供業務です。二つ目が、法律扶助業務。これは、裁判に必要な弁護士費用などを立て替え、分割で支払えるようにして、まとまったお金がない人でも裁判ができるようにする業務です。三つ目は国選弁護です。事件のうち7割程度が国選弁護を利用しています。従来裁判所が一括して行っていた業務ですが、当センターが裁判所に弁護士の推薦など多くの業務を引き継ぎました。四つ目は犯罪被害者支援です。犯罪被害にあった方、家族も含めて民事の損害賠償などの法律に絡む相談先として、弁護士の紹介などを行います。五つ目は司法過疎地対策です。これは国の費用で弁護士を雇い、弁護士のいない地域での住民相談や国選弁護、法律扶助などを行います。
―開所して1カ月半経ちましたが。
建部 件数で申し上げますと、東京のコールセンターに寄せられた相談受付が10月で3万5千件あり、405件が熊本県からの相談でした。これとは別に、135件が直接相談に来られました。数字を見るとそこそこ利用されているかなという印象ですが、想定の半分くらいだと思います。これから広告や口コミで広がっていけばもっと多くなると思いますが、出発としてはスムーズに処理できたと思います。
―所長としての役割は。
―所長としての役割は。
建部 業務の統括ということで直接窓口に立つことはありません。黒子役として東京の本部と調整しつつ、業務を行う中でニーズを把握しながら独自の県民サービスのあり方を模索していくことになります。情報提供教務に関しては全く初めての業務になりますので、利用者の声を聞き、しっかりと方向性を定めていきたいと思います。
―ところで、ご家族は。
建部 結婚して29年になる妻と子供が4人います。子供たちは独立して、今は妻と二人暮しです。一人は結婚して近所に住んでいますが、3人は東京や静岡など遠方で仕事をしています。妻は主婦ですが、九州大学の教授らが中心でやっている「シルクロード協会」の会員もしています。友人からは「よく砂漠なんかを好きになったね」と言われるそうですが、本当に好きみたいです(笑い)。
―ご趣味は。
建部 週に3回は水泳に通っています。成人病の予防もかねて4、5年続けていますが、毎回1500m泳いでいます。あとは旅行ですね。アジアやヨーロッパ、オーストラリアなどに行っていますが、印象的だったのが7年前にいったチベットです。高山病になりかけましたが、他とは全く違う文化で非常に印象に残っています。機会があれば、また旅行に行きたいですね。
Copyright (C) 2006 kumamoto keizai. All rights reserved.