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 親業講座
 →親業講座7 子どもを生み、自立した大人への育成とは  
くま経プレス 2008年3月 vol.218


 親業」って耳慣れない言葉ですが、「一人の人間を生み、養い、社会の中で自立した一人になるまで育てる」これが親の役割です。最も純粋な努力と能力が必要とされる、立派に独立したひとつの仕事です。このコミュニケーション訓練が「親業」です。

「わたしメッセージ」そのA
「自尊感情」と「自己肯定感」の大切さ

 「わたしメッセージ」は、子どもの行動を、「イヤだ」「変えて欲しい」と思うときに、
 ・非難がましくなくその行動を言い
 ・自分に対する影響を伝え
 ・正直な感情を言う
 という言い方で自分の事を伝える事だという事を先月号で説明しました。
 実はほかにも、いろいろな場面にも使えます。
 子どもがごみ出しを手伝ってくれました。 何と言いますか?
 「おりこうさんね」
 「これからもお願いね」
 「さすがお兄(姉)ちゃん」
 褒めていますが、全て、あなたが主語になっています。
 この褒め言葉の中には、
 「これからもこの調子で続けて欲しい」
 「もっとお兄(姉)ちゃんらしくなって  欲しい」
 と言う隠れたメッセージも含んでいます。すると、子どもは、「やらないとお母さんから愛されない」「評価してもらえない」と、条件付きのストロークをもらってしまいます。
 または、鋭い感性の子どもは、「褒めて自分を操作しようとしてるな」と気付くかもしれません。
 こうした、賞賛の言葉や、評価の言葉より、「わたしメッセージ」で感情表現を子どもに伝えた方が、子どもは素直に受け止められやすいのです。
 「ゴミ出ししてくれて嬉しい」
 「凄く助かった。ありがたいわ」
 「自分の行動や言動が親の役に立っている」「親が自分の行動を喜んでくれている」と感じ、自分の存在を肯定的に捉えることができやすくなります。
 自分の存在を肯定できる感情は、子どもに限ることなく、とても大事です。
 国連の「子どもの権利条約」でも「自尊感情」「自己肯定感」の大切さが強調されています。「自尊感情」「自己肯定感」が育っていないことが、不登校・いじめ・ひきこもり・自殺・反社会的な行動の原因の大きな背景になっているともいわれています。
 ではこの続きはまた。


親業訓練インストラクター
津川 育子
(筆者プロフィール) 親業訓練インストラクター。大学卒業後、ニチイ学館、近代経営研究所などの勤務を経て、平成10年10月人財育成サポートを設立。平成19年8月より燃焼スパSOSOの支配人を引き受ける。親業の勉強会・講座を随時開講。熊本カレッジ主催講座サテライト教室子育て応援講座などの講師も勤めている。県内各地での講演も多数。美里町教育委員。子どもは21・19・14歳の三人。著書として、「愛の小箱」(夫の闘病と家族模様)がある。

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