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 話題の人 〜Human of Topic〜
くま経プレス 2008年5月 vol.220
「逆境にこそ夢がある」県民の期待を背に蒲島県政が船出
熊本県知事
蒲島郁夫
 4月16日、蒲島郁夫氏が新熊本県知事に就任しました。県民からの熱い期待を背に受け、新しいリーダーとして財政再建や川辺川・水俣病問題などのさまざまな課題に挑みます。今月の“話題の人”では、今後の取り組みが注目される蒲島郁夫熊本県知事の船出となる初登庁に密着しました。

かばしま・いくお/1947(昭和22)年1月28日生まれ、61歳。山鹿市出身。鹿本高校を卒業後、旧鹿本農協勤務、派遣農業研修生として渡米。74年ネブラスカ大学卒、79年ハーバード大学博士課程修了、91年筑波大学教授、97年東京大学法学部教授。4月16日、熊本県知事就任。
知事のイスに「まだ実感ない」
 4月16日午前9時。あいにくの雨模様の中、初登庁した蒲島郁夫熊本県知事は本館入口前で公用車から降りたちました。花束を受け取った後、ロビーに勢ぞろいした大勢の県庁職員に拍手で迎えられ、知事執務室に。イスの座り心地を聞かれると、「まだ実感はありません」と率直な感想が返ってきました。
トップセールスマンへの決意、「できるだけ私を活用してほしい」
 知事としての初仕事は幹部級職員への辞令交付。一人ひとり読み上げ、握手とともに激励の声を掛けました。その後の就任式では冒頭で前任の潮谷義子前知事に「この熊本県を支え、導いてきた潮谷知事に心から感謝申し上げます」と感謝を述べ、その後、「私をできるだけ活用してください。これまでの経験の中で海外を含めていくつかの人脈やネットワークがあり、これを企業誘致、産業振興など、熊本の活力のためにどんどん使ってほしい。私自身がみなさまの期待に応え、トップセールスマンとして先頭に立ち、積極的に熊本県をPRしていきたい」と幹部職員を前に力強く抱負を語りました。
 5人が立候補し、注目された先の県知事選挙(3月23日開票)で他の候補者に大差を付け、当選を果たした蒲島知事。2期8年務め、4月15日付で退任した潮谷義子前知事からバトンを受け、県政の舵取りを担います。
自らの給料を100万円カットし、24万円に
財政問題、川辺川ダム問題、水俣病問題と数々の課題を抱える中での船出となりましたが、「逆境にこそ夢がある。確固たる夢を持つとそれは叶うと信じている。逆境だからこそ、それを乗り越えれば素晴らしい未来がある」(就任式での発言)とポジティブにとらえます。自身、鹿本農協職員からハーバード大学院修了を経て、東京大学法学部教授、熊本県知事という異例の経歴を持ち、先述の自らの言葉を体現し、夢を叶えてきました。
 財政問題に関しては、知事の給料を100万円カットし、県民所得とほぼ同じ24万円にすることをすでに表明しており、自らが先頭に立って財政再建に取り組むという姿勢をわかりやすい形で打ち出しています。
 「子どもたちが夢を持ち、若者が地元で仕事を持ち、そして高齢化した方々が安心して暮らせるような熊本県にしたい」と将来の熊本のビジョンを見据える蒲島知事。その発言を聞いているとしばしば“夢”という言葉がキーワードとなって発せられることに気付きます。これまで自らの道を切り開き、“夢”を叶えてきた蒲島知事がどのように熊本県に“夢”を与える県政をもたらすのか、その手腕が期待されます。
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