北京パラリンピックは挑戦の場。
「メダル獲得を目指します」
2008北京パラリンピック 日本代表
陸上競技(1500m、5000m) 二宮尚寛選手(熊本県庁) 車椅子女子バスケットボール 浦元美喜選手(社会福祉法人 山紫会)
障害のある選手による世界最高峰の競技大会「北京パラリンピック」が9月6日から9月17日まで中国の北京で開催される。この北京パラリンピックに、日本代表として熊本から陸上競技の二宮尚寛選手、車椅子女子バスケットボールの浦元美喜選手の二人が出場する。大会を前に練習に励む二人にパラリンピックに向けた意気込みを聞いた。
−日本代表おめでとうございます。まず北京パラリンピックへの意気込みを聞かせてください。
浦元 私にとっては初めてのパラリンピック出場です。今まで練習してきたことを試す大会であり、挑戦の場です。体は小さいですけど、世界の大きな選手に、声や気持ちで負けないよう立ち向かっていきたいと思っています。毎日の練習でも勝負を意識し、そうした課題をもって取り組んでいます。
−車椅子バスケットボールの魅力は。
浦元 スピーディな展開と激しくぶつかりあいながらゴールに向かい、点を取り合うところです。一般の方はなかなか車椅子バスケットボールを見る機会が少ないと思いますが、
北京パラリンピックをきっかけに、多くの方に車椅子バスケットボールの魅力や楽しさを分かってもらえればいいですね。
−日本代表チームはどんなチームですか。
浦元 メンバーは全国から選抜された12人で構成されています。年齢も上は40歳から下は20歳まで幅広く、速い展開力と海外の大きな選手にも負けない激しいディフェンスが特徴です。
−北京パラリンピックの目標を。
浦元 とにかくメダルにこだわりたいですね。競技を続ける中で、職場や周囲の多くの方にお世話になっています。そうした方々への恩返しのためにも、ぜひメダルを取って帰ってきたいと考えています。
★ ★ ★
−パラリンピックは2度目の出場ですが、まずは北京大会への意気込みを聞かせてください。
二宮 実をいうと前回のアテネ大会は故障していた状態で現地に入り、本来の走りができないまま、競技が終わってしまったという感じでした。ですから今回はまず、ケガのない万全な状態でスタートラインに立つことが第一の目標です。2回目の出場ということもあり、前回以上に職場や周囲の方々から「頑張れ」と応援を頂いていますので、それに応えるためにもアテネ大会以上の成績を残したいですね。
−陸上を始めたきっかけは。
二宮 子どもの頃、両親の勧めで陸上を始めました。そして小学校の時、記録会で入賞したことが陸上に魅力を感じるきっかけになり、中学から本格的に始めました。
−陸上競技の魅力は何ですか。
二宮 練習の積み重ねが、結果(記録更新)や自分の自信へつながるところだと思います。
−トレーニングで心掛けていることは。
二宮 前回は勢いだけで臨んだ大会で、故障をした状態でしたので、自己管理の大切さを学びました。その経験から体調に合わせて休養をとり、練習前後のストレッチなど、身体のケアを十分にするよう自己管理を徹底しています。
−最後に北京パラリンピックの目標を。
二宮 まずはじっくり調整をして、万全の状態で大会に臨むことです。そして、前回以上の成績を残したいですね。応援してくださる皆さんのためにもメダルを目指して頑張ってきます。
|
にのみや なおひろ/上天草市大矢野町出身、1980(昭和55)年11月10日生まれ、27歳。熊本農業高校卒。1歳半の時、事故により右上肢を切断。中学から陸上を始め、2004年アテネパラリンピック(1500m5位、5000m13位)に出場。2007年10月ジャパンパラリンピック1500m、5000mで優勝し、北京標準記録を突破、2度目の日本代表となる。ベスト記録は1500m4分3秒48、5000m15分07秒。東京都北区の陸上チーム「AC-KITA」所属。熊本県庁管財課勤務。