障がい者の「自立したい」「働きたい」を応援
NPO法人 障がい者支援の会すまいる 理事長
伊藤智佳子さん
精神的、知的、身体的な障がい者の生活訓練や就労移行支援事業を行っている通所型の就労支援センターすまいる(大津町大林)。センターを運営する伊藤智佳子理事長は、前職のキャリアコンサルタント時代に、障がい者の就労は個別のキャリア支援が必要だと感じ、2010年にNPOを設立。「自立したい、働きたいと願う障がい者をサポートしたい」と語る伊藤理事長にインタビューした。
―就労支援センターの活動を教えてください。
伊藤 障がい者が自立した日常生活や社会生活が送れるように、基本的なマナーや生活習慣を身に付け、将来「働きたい」という目標を見出せるための生活訓練事業と、今すぐには就職が困難な障がい者に対し、働くための準備訓練・職場実習など雇用までのステップを踏みながら、就労につなげる就労移行支援事業を行っています。雇用までのステップは、@職場体験A企業での実習Bトライアル雇用C常用雇用という4段階があります。トライアル雇用とは最長3カ月を限度に、その期間に本人と企業が互いに適正を見極めるための制度です。
―働きたいと希望する障がい者は多いようですね。
伊藤 「自立したい」、「働きたい」、「親に恩返しをしたい」と思っている障がい者は大勢ですが、障がいがあるからとあきらめている人も多いのが実情です。そこで、障がいの程度や本人が希望する職種に就くためには何が必要なのか、専門的なサポートをするのがセンターです。各機関との連携を図り、企業とのコーディネートもしています。私が委員長を務める熊本県中小企業家同友会の障がい者雇用支援委員会では「障がい者雇用で会社の宝を掘り起こそう」というスローガンで活動しています。実際に障がい者を雇用している事業主は、会社の雰囲気が良くなったと話しています。1人の障がい者が一生懸命仕事に取り組む姿は、他の社員へも好影響が出ているからだそうです。企業が、いきなり障がい者を雇用することはハードルが高いですが、各種助成制度なども利用しながら、徐々にステップを踏めば障がい者の雇用は決して難しいことではありません。
―これからの目標は。
伊藤 社会復帰を目指す障がい者がたくさんいることを周知し、協力・応援してくれる企業の開拓が課題です。みなさんに、障がいは人ごとではなく、自分や家族にいつ起こるか分からない、身近なことととして捉えてほしいです。障がい者の方は、願いは必ず叶うと信じてください。夢を実現するためのお手伝いをこれからも続けていきたいです。
@モットーは?
できないことを理由にしないこと
A尊敬する人は?
石井亮一さん(障がい者福祉の先駆者)
B最近読んだ本は?
「きみに読む物語」ニコラス・スパークス著
C休日は何をして過ごす
洋裁、温泉めぐり、ガーデニング
Dストレス発散法は?
水泳、よく眠ること
E熊本で行きつけの店は?
オステリア ラツィオ(上熊本1丁目)
Fこの仕事をしていなかった何を?
キャリアコンサルタント
G日常生活で心がけていることは?
心を一定に保ち、感情的にならないこと
Hマイブームは?
大河ドラマ
I「輝いている人」の条件とは?
いつも好奇心旺盛で学び続けている人
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