４月末完成に向け阿蘇工場内に新棟を建設
 　堀場エステック　グループ最大のマザー工場に

科学計測器メーカーの�竃x場製作所（京都市南区、堀場厚社長）の１００％子会社・�竃x場エステック（同、同社長）は、４月末完成に向け西原村鳥子工業団地内の阿蘇工場に新棟を建設している。併せて既存棟の改修も行っており、全体の完成は７月末。総投資額は約２０億円。この増設により、阿蘇工場は堀場グループ最大規模のマザー工場となる見通し。
同社の阿蘇工場は、主力製品のマスフローコントローラー（半導体製造装置用のガス・液体流量制御機器）の量産のほか、医用・理化学分野製品なども生産している。敷地面積は約３万�u。現在のフロア面積は約７５００�uで、９２３�uのクリーンルームを持つ。改修によりクリーンルームを１・７倍に拡張、マスフローコントローラーや薬液濃度モニターの増産体制を敷く。
増設する新棟は主に医用製品を生産する工場で、２階建て、フロア面積は約８千�u。堀場製作所本社工場から小型血液検査機器の生産ラインを全面移管する。この製品の消耗品にあたる検査試薬を阿蘇工場でも生産しているが、新棟に設備を移管・増設し、生産能力を２・５倍に増強するという。阿蘇工場で生産している製品のプリント基板（電気部品）も新棟で生産する計画。
同社では「堀場グループでは今期から半導体関連製品に加え医療分野に注力するという方針で、その一環として阿蘇工場に医用向けの新棟を建設している。併せて半導体関連製品を生産する既存棟を改修し、需要増に対応できる生産体制をとる。阿蘇工場は中国や韓国拠点の指導も行うマザー工場となる」と話している。
阿蘇工場は１９８８年に開設。９２年および２００５年にも増設を実施している。０５年１２月からは堀場エステックの半導体向け製品に加え、堀場製作所の試薬など医用分野の生産をスタートしている。 
（佐藤奈）