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木造建築の研究拠点となる新社屋が完成・・・・豊工務店

 総合建設業の竃L工務店(熊本市東区山ノ内1丁目、鐵谷浩之社長)は、本社隣接地に建設していた新社屋(研究棟)がこのほど完成した。
 同社は、強度の強い芯材を束ねて樹脂で圧着した「BP材」を使用した中高層(3〜7階程度)の木造建築の普及を目指しており、研究拠点として事業再構築補助金を活用して建設したもの。名称は「YUTAKA.LABO(ユタカ・ラボ)」。場所は本社南西側。躯体は1月に完成、2月から使用開始しながら外構などを整備しており5月に完成した。敷地面積約800u、木造2階建て、建築面積190u、延床面積330u。1階はフリーアドレス型のオフィスと打ち合わせスペース、吹き抜け、2階は技術者育成を目的とした研修やセミナーなどができるスペースを設けている。山鹿市の轄H芸社・ハヤタ(早田雅夫社長)が製造するBP材を構造材として柱や梁(はり)などに使用しているのが特徴。外壁は外からでも内部構造を見えやすくするため、複層ガラスを鉄骨で挟んで製作した外壁が全体の半分以上を占めているほか、天井の一部には採光のため、東京ドームやパークドームなどでも使われる膜屋根構造となっている。また、地中の温度が季節に関わらず一定であることを利用して空調負担を軽減するシステム(クールチューブ)も導入している。
 鐵谷社長は「国が木材利用を推進しており、大手ゼネコンではCLT(直交集成材)を使った中高層のビルを建設しているが、地場企業として県産木材を使った在来工法による中高層木造建築を発信していきたい。BP材は強度が高いだけでなく、接着剤の使用量も少ないため、香りや調湿機能など木が本来持つ機能を発揮できる。この研究棟を拠点に工芸社・ハヤタやBP協会、九州大学と連携して普及に向けて課題を克服していきたい」と話している。

くまもと型伝統構法を用いた厚生棟も完成

 また、同社が研究棟隣に建設していた「くまもと型伝統構法」を採用した厚生棟が完成した。
 同構法は、県が伝統構法による木造建築物の技術伝承などを目的として2019年に設計指針を策定したもの。同社では伝統的な大工技術の継承などを目的に、社員の福利厚生や地域行事等で利用できる施設として研究棟と同時期に建設した。木造平屋建て、建築面積82u。構造材に県産木材を使用していること、手刻みによる木組みを生かした継手・仕口、壁に伝統的な貫・土壁・板壁などの採用、コンクリート立ち上がりのない石場建て基礎、貫板などの同構法設計指針を全面的に取り入れたほか、間取りは縁側までつながる大空間など現代風にアレンジしている。同構法のすべての項目を取り入れた建物が市街化区域内で建設されたのは県内初。
 鐵谷社長は「研究棟では最先端の研究、厚生棟では昔ながらの木造軸組工法を後世に伝えるための施設。最新技術を追求とともに伝統構法を大事にすることで木造建築における当社の強みにしていきたい」と話している。
_くまもと経済 業界NAVI_:2025年12月30日発行 No.535

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