業況ＤＩは１４・６ポイント低下で３期ぶりに悪化
　０７年度上期の県内中小企業　中小公庫熊本支店調べ

中小企業金融公庫熊本支店（熊本市手取本町、寺西義文支店長）がまとめた県内の０７年度上期中小企業動向調査によると、業況総合判断の業況ＤＩは前回（０６年度下期）に比べ１４・６ポイント低下のマイナス１５・７で、０５年度下期以来３期ぶりに悪化に転じた。
同支店の取引先を中心とした県内の中小企業５８１社を対象にアンケートを実施したもの。回答企業は２８７社、ＤＩは「増加」「好転」と回答した企業割合から「減少」「悪化」とする企業割合を引いたもの。
項目別では、売り上げが前期比１４・１ポイント低下のマイナス０・３と急激な変化を見せた。利益は同９・２ポイント低下のマイナス４・９、資金繰りは同３・３ポイント低下の１・０といずれも悪化した。
業種別では、製造業が売り上げ、利益で２ケタ台の急激な悪化。資金繰りも４ポイント低下し、総合で２８・４ポイント低下のマイナス１７・８だった。非製造業は売り上げ、利益、資金繰りの全項目でマイナスに転じ、総合で８・４ポイント低下のマイナス１４・７だった。
０７年度下期は売り上げが６・３、利益、資金繰りがマイナス２・１、総合でマイナス９・４を予想している。
同支店では「半導体産業の生産調整や、原油高を背景とする原料高の長期化を予想する企業が多くなったことが悪化の原因と見ている。また下期は決算などが入るため若干の改善を予想する傾向があったが、来期はマイナス予想となっており、今回の結果は景況感悪化へのターニングポイントになる可能性がある」と話している。 （東）