南関町に自動車鋳造部品工場を開設
　愛知県のアイシン高丘　生産子会社を設立

愛知県豊田市の自動車部品製造・アイシン高丘�梶i石川敏行社長）は、玉名郡南関町に自動車鋳造部品の生産工場を開設する。総投資額は５０億円。１月下旬に生産子会社のエイティー九州�鰍�設立する予定。
アイシン高丘はトヨタ自動車系の部品メーカー・アイシン精機�梶i愛知県刈谷市）の子会社で、自動車の機関系や制御系、駆動系、車体系の鋳造部品などを生産。現在愛知県の３工場と海外に生産拠点を持っており、トヨタ自動車九州の増産に対応し新たに拠点を設ける。場所は同町の家具工場跡地で、敷地面積は９万４千�u。既存の建屋４棟（延べ床面積１万５千�u）を改装して使用する。工場には自動車向けディスクローター（制御系部品）などの鋳造から加工までの一貫生産ラインを敷く。改装工事は近く開始し、来年５月から機械加工ラインを、同１２月から鋳造ラインを稼働させる予定。生産量は年間２万４千トンの見込み。
生産子会社のエイティー九州�鰍ﾍアイシン高丘の全額出資で設立、資本金は４億９千万円。社長はアイシン高丘の０８年１月１日付人事異動で決める。従業員は０９年度までに１１０人を確保、マネージャーなどを除き、大部分を地元で採用する計画。０９年度の売り上げは３６億円を見込む。
アイシン高丘は１１月２０日、県の立会いのもと南関町と立地協定を結んだ。石川社長は「愛知県一極集中のリスク分散を図るとともに、九州の取引先との物流コストが削減できる熊本への立地を決めた。物流コストは年間１億５千万円ほどの削減を見込んでいる。取り急ぎ既存の建屋を流用し１ラインを稼働させるが、２年後をめどに増築し、第２ラインを設けることになるだろう。地場企業とは積極的に連携し部品生産に当たりたい。鋳造の金型製造や部品加工などで協力してもらうことを考えている」と話している。
同社は１９６０年３月に設立、資本金は５３億９６００万円、従業員数は約２９００人。０７年３月期の連結売上高は２２８２億円。アイシングループとしては、９３年に自動車部品製造のアイシン九州�鰍ｪ下益城郡城南町に立地。同社は今年８月１日付でエンジン用アルミダイキャスト製品の生産子会社・アイシン九州キャスティング�鰍�設立しており、エイティー九州の設立で同グループは熊本県に子会社３社を持つことになる。 （佐藤奈）