トップ フォトニュース 立野渓谷の「見どころ」はどこに・・・阿蘇ジオパーク推進協議会
フォトニュースPhoto News

立野渓谷の「見どころ」はどこに・・・阿蘇ジオパーク推進協議会

2018年7月30日(月)

阿蘇ジオパーク推進協議会(阿蘇市赤水、阿蘇火山博物館内、会長:佐藤義興阿蘇市長)は7月17日、阿蘇世界ジオパークのジオサイト(見どころ)の一つである立野渓谷の眺望が鑑賞できる「視点場」の候補地を視察した。
「ジオパーク」とは地質学的に重要な地形、岩石、火山などの保護と活用を図る自然公園のことで「ジオサイト」はジオパーク内で自然遺産として価値が認められる見どころのこと。国内では43地域が日本ジオパークに選定され、このうち9地域が国連教育科学文化機関(ユネスコ)が認定する「世界ジオパーク」に選ばれている(今年5月現在)。阿蘇地域は2014年に世界ジオパークに認定。昨年、4年ごとに実施される再認定に向けた国内審査で「条件付きの再認定」を受け、来月再認定審査に臨む。
立野渓谷では阿蘇山の溶岩が作り出した地質現象「柱状節理」(ちゅうじょうせつり)や阿蘇北向谷原原始林などが有名。今回、同協議会がジオサイトの一つである同渓谷への視点場設置を国土交通省熊本復興事務所(辻芳樹所長)に要望。これを受け、同事務所が今後ジオパークを作るための参考として計画し、熊本地震の復旧工事現場2カ所を候補地として提示した。
当日は佐藤会長のほか、吉良清一南阿蘇村村長、市原正文産山村村長、内田安弘西原村副村長などジオパークを構成する市町村関係者や辻所長ほか復興事務所関係者、ジオガイドなど約30人が参加。視点場の候補地となる阿蘇長陽大橋と阿蘇大橋の工事ヤード2カ所を視察し、意見を交わした。
佐藤会長は「今後のジオパークの活動における視点場を早速検討いただき大変ありがたい。地震から皆が力を合わせ、一生懸命頑張っている立野地区については生活面や流通面などにおいて大事な場所。さらに整備され、ジオサイトやジオパーク活動がより便利に安全を確保しながらできる要所にもなると思っている。審査員の方にも理解していただけるように再審査に向けてもまい進したい」と話している。(編集部・堀悟史)

阿蘇長陽大橋(南阿蘇村側)で視点場の候補地を視察する関係者。写真後方が建設中の新阿蘇大橋
もう一つの候補地である新阿蘇大橋の工事現場から阿蘇長陽大橋の眺めを確認
新阿蘇大橋の仮設高台下の壁面に現れている、規則正しい柱状の割れ目が「柱状節理」。阿蘇ジオパーク協議会は、このような立野渓谷の景観が楽しめる視点場の設置を熊本復興事務所に要望している。