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「スパコン”京”開発の責任者・門岡博士の講演を聴く・」・熊本経済同友会

2020年9月25日(金)

 熊本経済同友会は9月24日、熊本市中央区のホテル日航熊本で例会を開き、かつてスーパーコンピュータ「京」開発の責任者を務めた門岡良昌博士から「医療分野におけるスーパーコンピュータとAIの社会実装へ向けて」と題する講演を聴いた。
 門岡博士(理学)は、熊本県清和村(現山都町)出身、県立濟々黌高校ー熊本大学理学部卒。九州大学大学院理学研究科修了。62歳。平成18年から富士通(株)で大規模スーパーコンピュータ向けのアプリケーションの開発に携わり、平成23年にスーパーコンピュータ「京」が世界一になった。その後、大規模津波の浸水予測や人間の心臓の挙動を「京」を使って再現し、より安心安全な社会を実現する事業にチャレンジしている。現在、富士通のプリンシパル・エキスパート。
 例会には肥後銀行の笠原慶久頭取、平田機工の平田雄一郎社長、テレビ熊本の河津延雄社長、櫻井精技の櫻井一郎社長、熊本日日新聞社の河村邦比児社長、肥後交通ホールディングスの野々口弘基社長、熊本交通運輸の住永金司社長、グリーンランドリゾートの江里口俊文社長、化学及血清療法研究所の木下統晴理事長ら会員85人が出席した。
 門岡博士はリモートで講演。「熊本に行くことを楽しみにしていた。コロナで、残念ながら会社から熊本行きの許可が得られなかった」と切り出し、自身の略歴を明らかにしたあと、「2007年にスーパーコンピュータ開発に携わり、2011年(平成23年)に”京”が世界一。世界最高速のコンピュータになった」などと説明した。
 「現在はスーパーコンピュータとAI(人工知能)を活用し、医療分野において役立つような研究を続けている。特に人間の心臓の拍動の原理などを研究している。例えば心臓は血液をきれいにする役割だが、その心臓の一回の拍動でコーヒーカップ一杯分の血液を送り出す。一日ではトラック一台分、人間の一生(約80年)では大型石油タンカー一隻分となる。私たちは心臓の拍動をコンピュータでシミュレーションし、医療に、そして社会に貢献していきたい」などと語った。

リモートで講演する門岡良昌博士(熊本県清和村出身)
門岡良昌博士の講演を聴く」熊本経済同友会の会員
世界一になった大型スーパーコンピュータ「京」
暗号解読用に開発された世界初のコンピュータ「エニアック」
2歳3か月の男の子の心臓の シミュレータ
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