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「台湾のTSMCの進出に期待高まる・」・熊本の経済界や県内の各地域

2021年12月23日(木)

 熊本の経済界や周辺自治体などから「台湾の半導体大手・TSMCの菊池郡菊陽町進出は、熊本と周辺地域に大きな経済効果と関連産業の集積をもたらすだろう」と期待が高まっている。
 台湾のTSMCは、世界的な半導体メーカー・台湾積体電路製造。ソニーグループと共に菊陽町に新工場を来年から建設する。新工場の当初の設備投資額は約8千億円で、県内誘致企業の中ではこれまでで最大規模。工場開設により約1500人の雇用が予定されている。新工場は2024年末までに完成・操業する。
 「進出すれば、熊本の経済波及効果は計り知れない。関連企業の進出・投資、住宅の建設、道路建設工事など様々な分野にわたる」と見られている。
 すでに熊本県はTSMCの工場建設に対応して、11月22日に全庁的な横断型組織である「半導体産業集積強化推進本部」を立ち上げた。リーダーは蒲島郁夫知事が務める。同推進本部はTSMCを含む半導体関連企業が円滑に集積するよう、人材確保や交通渋滞などの課題に対応する。
 菊陽町は後藤三雄町長を本部長とする全庁的な組織を立ち上げ、益城町も12月23日、「益城町半導体関連等企業誘致推進本部を設けた。
 また、熊本市は12月17日に市役所内に市幹部でつくる「半導体関連産業集積推進本部」を設置した。大西一史市長が同本部の本部長を務める。
 さらに、熊本県南の八代市もTSMCの進出に対応して、庁内にプロジェクトチームを結成して、県と連携しながら半導体関連産業の誘致・集積に取り組む。
 熊本の企業はじめ、九州の企業・団体は「TSMCの進出は関連産業拡大の追い風になる」、「昭和44年に九州日本電気(現在のルネサスセミコンダクタ)が出来たあとに、水俣の原精機産業や宇城市の九州電子などの有力企業が誕生したように、熊本は半導体産業の一大集積地域になる」、「再び、日本のシリコンアイランドになる」、「熊本の人口は減少傾向から増加に転じる可能性がある」などと期待が高まっている。

着々と造成工事が進むTSMCの進出予定地(菊陽町原水)
「対応はスピード感をもって進めたい」と語る蒲島県知事
隣接する「くまもとセミコンテクノパーク」(菊陽町))
ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(菊陽町原水)
「半導体関連産業集積推進本部」を設置した大西一史熊本市長
セミコンテクノパークの一角にある東京エレクトロン九州
鉄骨が組み上がる熊本空港の新ターミナルビル(4階建て)
熊本空港ー菊陽町原水を結ぶ県道311号