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4月12日に合併賛否の住民投票 益城町 

2009年2月20日(金)

  益城町の住永幸三郎町長は2月19日、1月臨時会で可決されていた住民発議による熊本市との合併の是非を問う住民投票条例について、投票を4月12日の日曜日に実施すると発表した。この日午前、町選挙管理委員会に投票日を通知した。告示日は4月7日。
  同条例は熊本市との合併に反対の住民グループが、法定協終了前のなるべく早い時期に住民投票の実施を求めて直接請求した。1月26日開催の臨時議会で可決後、住永町長は同条例を2月16日に公布して投票を実施することを公表。投票日は同条例第4条で公布後60日以内の町長が定める日曜日と規定しており、期限内で最終日曜日の4月12日を選んだ。さらに同条例は住民、町長および町議会は投票結果を尊重しなければならないとしている。
  両市町の合併をめぐる住民投票は03(平成15)年8月以来。このときは住民発議による合併協議会(法定協)設置の是非を問う住民投票が行われ、設置反対が57%で過半数を占め法定協設置は見送られた。
  両市町は昨年10月1日付で正式な合併協議機関の法定協議会を設置。同31日の初会合以来、2月20日までに5回の協議会を開いている。一方で、昨年12月議会で住永町長が提案した法定協終了後に熊本市との合併の是非を問う住民投票を実施する条例が可決されており、法定協の前後で二つの住民投票が実施される事態に住民も戸惑いを隠せない。

「法定協は完璧に終わるまで続ける」

  記者会見で住永町長は、「私は10年、20年先の将来を見据えると、町のため、子や孫のため政令市に向かうべきと判断した」と熊本市との合併に意欲を示した。二つの住民投票条例が可決されたことに、「法定協終了後にしっかりした判断材料を提供した上で住民投票を実施したほうがいいと思うが、議会で可決されたことを粛々と施行するのが私の立場。法定協は途中だが可能な限り情報を提供し、住民には賢明な判断を望みたい」と述べた。
  また、1回目の投票結果が2回目に与える影響について、「結果を見てからになるが、まずは4月の住民投票に全力をあげたい」とし、現在、進めている法定協については「法定協は両市町の議会で決定したのだから、完璧に終わるまで続けていく」と述べた。
  住永町長によると、投票日まで各地で町主催の説明会を開催していくほか、県も政令市に関する独自の説明会を予定している。
益城町議会は昨年9月定例会最終日の同17日、住永町長が提案した熊本市との合併法定協議会(法定協)設置案を賛否同数、議長裁決で可決。同時に設置反対の議員が提案した合併の賛否を問う住民投票条例案を議長裁決で否決した。
  その後、同議会は12月定例会最終日の同15日、住永町長が提案した法定協終了後に合併の賛否を問う住民投票を実施する条例案を賛成多数可決。ところが1月26日の臨時会では合併反対の住民グループが法定協終了前のなるべく早い時期に合併の賛否を問う住民投票を実施するよう求めた条例案を賛成多数で可決。このため法定協の前後で同じ内容の住民投票が2度実施される事態になった。(鬼塚)

住民投票で記者会見する住永幸三郎・益城町長
役場前に公布された住民投票条例
会見する住永町長と緒方保則副町長(左)
益城町役場