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待望のガントリークレーンを設置〜熊本港

2012年8月31日(金)

  熊本港に待望のガントリークレーンが設置された。調整や試運転を経て年内稼動を予定している。 
 7月31日午後、ガントリークレーンは静岡県の清水港から第二の活躍の場となる熊本港へ、台船に乗せられその巨大な姿を現した。
  静岡県の厚意で熊本県への譲渡価格は100万円に消費税。清水港に設置されたのが1973(昭和48)年という中古品だが、熊本港関係者にとっては待望のガントリー設置実現。「熊本都市圏の荷を集める最低限のインフラが整った」と、熊本港の国際コンテナターミナル業務を請け負う指定管理会社くまもとファズ鰍フ牛島浩社長。
  後背に都市圏100万人の人口を擁する熊本港だが、コンテナ貨物の9割以上が博多港などの県外港に流れているといわれる。その理由が、港湾機能の未整備と、それによる週1便というコンテナ定期便数の少なさ。現在、荷役作業に使用しているジブクレーンは作業中にコンテナが傾く可能性があり、精密機械などには不向きと言われ作業効率も悪かった。ガントリークレーンはそれがなく作業効率も格段に向上する。
  県では今年度から熊本、八代両港の営業部隊となる課内室、「ポートセールス推進室」を企業立地課に新設。岡村郷司室長は、「熊本港は今年が勝負の年。4年をメドに年間コンテナ取扱量を現在の2倍の3万TEUに拡大、週2便化につなげたい」と意欲を見せている。(編集部・香月)

8月4日午前、台船から熊本港コンテナ埠頭に陸揚げされるガントリークレーン
熊本港大橋から熊本港フェリーターミナル越しに望むガントリークレーン。ブームを立てた状態で高さ76mのガントリークレーンは熊本港のランドマーク的存在
7月31日午後、静岡県の清水港から熊本港に着いたガントリークレーン。写真手前右側は現在、コンテナの荷役作業に使用しているジブクレーン。ガントリークレーン導入で荷役作業時間が大幅に短縮され、ジブクレーンと比べ荷役作業時にコンテナが傾く可能性もないという
総重量674トンのガントリークレーンの陸揚げ作業は、蟻の動きよりも遥かに遅いスピードで慎重に進められた