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益城町にスイゼンジノリの養殖場を建設・・グリーンサイエンス・マテリアル

2014年9月12日(金)

 スイゼンジノリから抽出する成分「サクラン」を販売するグリーンサイエンス・マテリアル梶i熊本市東区長嶺東、金子慎一郎社長)は、スイゼンジノリの養殖場を益城町に建設する。11月に完成する予定。
「サクラン」を使った美容成分などの需要増に伴うもの。場所は益城町総合体育館の南側。養殖場の敷地面積は約1400u、床面積は約570uで浅いプールのような形状。空いたスペースは駐車場として利用し、今後の養殖場の拡張も見込む。総工費は約1千万円。養殖場完成後は、従来の原料調達場所に加え自社でも原料生産を実施。生産するのは「翠玉」といわれるスイゼンジノリで、熊本市在住の丹生慶次郎さんが約3年前に発見し商標登録をしたもの。従来のスイゼンジノリと比べ赤色の色素がなく鮮やかな緑色をしているのが特徴。丹生さんが所有する上益城群嘉島町の養殖場でのみ生産されており、金子社長は丹生さんの養殖場でスイゼンジノリの生産方法を学んできた。新しく建設する養殖場では来年から生産を本格化させ、2トンから3トンの生産を予定。サクランの抽出は潟Iジックテクノロジーに委託する。初年度の売上目標は2千万円、来年度からは倍増を見込む。販売先は、サクランを使用した化粧品を製造しているリバテープ製薬など。現在、崇城大学の岩原正宣名誉教授らとスイゼンジノリを室内生産する研究を進めており、今後はLEDや温度調節機能などを用いた室内生産で生産量を増やしていく予定。  
 スイゼンジノリは現在、福岡県朝倉市の合資会社 川茸元祖 遠藤金川堂と糾泉堂が運営する養殖場、熊本市在住の丹生慶次郎さんの養殖場の3か所で生産されている。福岡県朝倉市の養殖場では近年の水質汚染などが原因で生産量が減少傾向にあるという。金子社長は「スイゼンジノリは絶滅危惧が叫ばれている藍藻類。スイゼンジノリを使った商品などでスイゼンジノリを普及させ、熊本の美しい環境を守りながら熊本の経済も活性化させていければ」と話している。(堀内)

潟Oリーンサイエンス・マテリアルの金子慎一郎社長(左)と嘉島町の養殖場でスイゼンジノリを生産する丹生慶次郎さん(右)
丹生さんが3年前に発見した「翠玉」と呼ばれるスイゼンジノリ(商標登録済み)