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石光真清の生家を修復保存…熊本市

2015年5月16日(土)

 「城下の人」で知られる明治期の軍人・石光真清の生家の修復工事がこのほど完了し、管理する熊本市は5月15日、中央区本山の現地で落成式を催した。
 当日は約60人が出席。西島徹郎・市観光文化交流局長が「熊本が生んだ偉人の功績を子どもたちにも伝えていきたい」と挨拶。石光の孫・真琴さんは「地元の方々に熱心に保存活動をしていただき感謝している」と語った。
 旧居は木造2階建て、延べ床面積130u。建設時期は不明だが石光が生まれて、陸軍幼年学校に入学するまでの16年間を過ごしたとされる。長く空き家状態で取り壊す計画もあったが、地域住民や石光真清顕彰会が中心となって保存活動を展開。近くに住む前川千鶴子さん(故人)が土地・建物を所有者から取得し、2012年に市に寄贈した。市は昨年9月から約4千万円かけて修復。いったん解体し、柱などの部材を活用して再建した。石光(1868〜1942)は日清・日露戦争時に情報将校として活躍。当時の手記をもとに長男真人氏が編集した「城下の人」など自伝4部作は当時のベストセラーに。実妹の真津子は橋本龍太郎元首相の祖母にあたる。
 旧居の一般公開は6月初旬を予定。市は今後真琴さんから石光の遺品などを提供してもらい、旧居に展示する。(佐藤)

旧居は木造2階建て、延べ床面積130u。いったん解体し部材を活用して再建した
式には市職員や地元住民ら約60人が出席した
挨拶する西島局長
孫の真琴さん(78歳)は東京都国立市在住
樋口欣一・元まるぶん社長。石光真清顕彰会の会長を務めている
2階部分は17畳で、一部濡れ縁付き。当日は工事関係者が建物の説明にあたった