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「身近で生活になじむ作品づくりを」・・・小代焼たけみや窯 近重眞二さん

2017年11月30日(木)

 熊本を代表する伝統工芸品の一つ、小代焼。県北の小代山麓で古小代の陶工の祖(牝小路家、葛城家)が開窯したのが始まりと言われ、その歴史は400年にわたる。明治期には一度小代焼は途絶えてしまったものの、昭和に入り再び息を吹き返した。復興の立役者となったのが、昭和6年、今の熊本市東区健軍に健軍(たけみや)窯を開いた近重治太郎さん(故人)。茶具を中心とした多くの作品を産み出し、後進の育成にも尽力した。

 治太郎さんの孫、3代目窯元の近重眞二さん(63)は22歳で陶芸の道に。祖父からの教えは「習うより慣れろ」。幼いころから窯が遊び場だったこともあり、ろくろのまわし方はすでに体に染みついていた。5年前に窯を嘉島町に移し、製作を続ける眞二さんは、自身の作品への思いについてこう語る。
 「茶人でもあった祖父は、常に使う人のことを考え、身近で生活になじむ作品づくりを心がけていました。この思いを受け継ぎ、多くの人の生活に根差した作品をつくり続けていきます」。(松本)

ろくろで大皿を成形する眞二さん
成形された大皿
素焼きを経て釉薬(うわぐすり)をかけた後、本焼きに入る
眞二さんの製作した作品
焼き窯
嘉島町北甘木のたけみや窯
たけみや窯窯元 近重眞二さん