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血管造影装置を高精細画質機器に更新・・・済生会熊本病院

2022年3月29日(火)

 済生会熊本病院(熊本市南区近見5丁目、中尾浩一院長)は1月26日、血管造影室の血管造影装置をリニューアルし、キャノンメディカルシステムズ叶サの「Alphenix」を導入した。
 血管造影装置とはカテーテル治療に欠かせない装置で、造影剤を注入しながら目的の部位にX線を照射し、血管をリアルタイムに映し出す装置。新機器は寝台の正面と側面に2つのアームがあり、1度に2方向から同時に観察が可能。拡大可能視野がこれまでは最小6インチだったが、機器更新によって最小1・5インチの3・8センチ四方の映像が高精細に画面全体に映し出せ、より安全に治療の実施が可能になったという。また、血管造影時に患者の皮膚表面被ばく線量をモニタリングする機能が搭載されており、常に皮膚被ばくを意識しながら治療ができるという。高解像度・高精細画質のハイデフ画像対応の機種としては九州で2台目の導入。
 同院は2020年から、脳動脈瘤の手術では動脈瘤の中にコイルを詰めて破裂予防を行う血管内治療「コイル塞栓術」を、頸(けい)動脈狭窄(きょうさく)に対しては円形状の金網を広げて血管を拡張する「ステント留置術」を第1選択とする方針をとっており、低侵襲治療へとシフトしている。さらに脳梗塞に対する血栓回収療法も、今後ますます増加が見込まれる。血栓回収療法は脳血管内治療専門医が行い、同院には日本脳神経血管内治療学会専門医が3人在籍している。 
 今回の機器更新を行ったのは、手術台と心・脳血管X線撮影装置を組み合わせたハイブリッド手術室1室。同院には血管造影が可能な設備は6室あり、そのうち2室が今回機器更新の手術室を含むハイブリッド手術室となっている。ハイブリッド手術室は、手術室と同等の空気清浄度の環境下で、カテーテルによる血管内治療が可能。外科的に最小限の切開を行い、切開口から低侵襲なカテーテル治療(内科的治療)を行うことができる。ハイブリッド手術室は13年4月に同院が県内で初導入しており、県内で2室を備えるのは同院のみ。(宮田)

左から山城脳神経外科部長、長尾脳神経内科医師、米原脳神経内科部長 、加治脳神経外科医師、天達脳神経外科医師、古山循環器内科副部長、中尾院長
更新した血管造影装置。高解像度・高精細画質のハイデフ画像対応機種としては九州で2台目の導入