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「未来の子どもたちのために立ち上がりたい」・・・MICAさん

2022年5月6日(金)

 県内を中心に活動する歌手のMICA(みか)さんは5月6日、熊本市中央区のくまもと経済本社で取材に応じ、29日投開票の熊本市1区県議補選に挑戦することを明かした。
 MICAさんの本名は杉嶌ミカ。1983(昭和58)年4月3日生まれ、39歳。上天草市松島町出身。松島商業高校―平成音楽大学電子オルガン科卒。大学3年の2004年にミニアルバム「inori」でデビューし、熊本県内を中心に歌手活動をスタート。地元企業のCMソングなどに起用されたことで、知名度を高めた。15年に鰍lICA MUSICを設立し、代表取締役を務める。
 MICAさんとの一問一答は次の通り。

●文化・芸術教育の機会を均等に

 ―出馬の理由から。
 MICA この20年間、熊本で音楽活動を続けてきた。ステージ数では約3千件を超える。中でも学校での公演をさせていただく機会が大変多かった。子どもたちに文化や芸術の素晴らしさを伝えることは、私にとって大きなやりがいの一つだった。私自身も妊娠・出産を経て母親になった経験から、子どもたちに何を伝えたいか、どんなことを思ってもらいたいかを踏まえ、プログラムを組んでいた。
 県内には小、中、高校、支援学校だけで600校以上あるが、もっと義務教育の中で子どもたちに文化・芸術を届けていきたいと思うようになった。パンフレットを作り、すべての学校を回った。だけど、厳しい現実を知ることとなった。まず学校に予算があるかどうか。予算があったとしても、準備段階でうまくいかないといった現実があった。義務教育というのは、みんなが同じ平等な教育を受けられるものと思っていたが、厳しい現状を知った。
 文化・芸術は、子どもたちが大人になり、人生を歩む中でとても大事なものとなっていくのは言うまでもないことだと思う。今までは音楽を通して、子どもたちに伝えてきた。これからはそのための仕組みづくりに取り組んでいきたい。未来の子どもたちのために立ち上がりたい。

●歌手の夢を叶えてくれた熊本に感謝

 ―以前から政治の道を考えていたのか。
 MICA まったく…まったくです。お恥ずかしい話で、政治は難しいだとか恐い、どうせ私たちが考えたって…と思っていた。無関心な若者の一人だったと思う。県議補選があるんじゃないかと言われ始めて、決意したのは本当に最近。政治の勉強は十分ではない。それでも、私は熊本で歌手になるという夢を叶えることができた。熊本には感謝している。もっと元気に、もっと活躍できるような熊本県にしていきたいという思いがある。
 とある高校で話を聞けば、その学校の就職希望の生徒の8割が県外に就職するという厳しい現状があるようだ。熊本は10年後どうなるんだろうか、少子高齢化は想像以上に早まるのではないかと心配になった。女性が元気に子育てをしていける取り組みも必要だ。

 ―政治の世界の中では「女性」、「若さ」というは一般的に見て大きなポイントだと思う。
 MICA 熊本は全国でも女性議員の割合がとても少ない。女性の声をしっかりと県政に届ける。文化・芸術の活動を続けてきたからこその、新しい発想を政治に反映させたい。

●ゆくゆくは自民党にお世話になりたい

 ―上天草市出身だが、なぜ熊本市内から出馬するのか。
 MICA 先ほど申し上げた通り、補選があると知ったことが、選挙に挑戦しようと思うきっかけだった。私は上天草市で生まれ、現在熊本市内に住んでいる。これまで県内のあらゆる場所で歌わせていただいた。熊本県に恩返ししたい、県全体をもっと良くしたいという思いがある。

 ―政党への推薦などは求めるのか。
 MICA 今回は無所属で挑戦させていただく。もし皆さまにご支持いただき、当選させていただければ、ゆくゆくは自民党にお世話になりたいと思っている。
 よく誤解されるのだが、私には大きな組織や後援会などがあるわけではない。私の意思で挑戦したいと思った。ド素人選挙、無謀な戦いなのかもしれない。でも若いから、無知だからこそ新しい風を吹かせることができるのではないかと思う。政治を変えていきたい。(宮崎、松本)

取材に応じるMICAさん
「若さ、女性の声を県政に反映させたい」と意気込みを見せる