トップ フォトニュース 県内路線バス5社、「共通定期」利用好調
フォトニュースPhoto News

県内路線バス5社、「共通定期」利用好調

2023年3月30日(木)

 九州産交バス梶A産交バス梶A熊本電気鉄道梶A熊本バス鰍フ県内路線バス5社が22年4月に発行した「共通定期」の利用が好調だ。利用実績は2022年4月から9月までの半年間で輸送人員が前年同期比で16%増、運送収入が14%増、ユーザー数は18%増といずれの項目でも2けたの伸びを示している。
 同サービスは、定期券の区間内であれば熊本電気鉄道鰍フ電車を含む5社のバスに乗車できるもので、同時に始めた「乗継定期券」のサービスは乗り換える場合に従来2枚必要だった定期が1枚で済む。各社は利用増の要因に利便性の向上を挙げ、保有定期の切り替えに加え、新規購入にもつながったと見ている。
 5社は21年4月、将来の路線維持に向けて「共同経営」を開始。現在共通定期発行と、競合が多い熊本市内5路線で運行効率化や待ち時間の平準化を実施、収支改善に努めている。30(令和12)年度までに輸送人員を現在の2倍以上となる4300万人とする目標を立てており、23年度以降、さらなる利用増に向けた取り組みを強化する。実現性を高めるため、マーケティングの手法を採用し利用者を「通勤」「通学」「使用」「高齢者」にセグメント化。それぞれのニーズに応じた施策を実行することで、より科学的に利用者増を図る考え。行政との協力関係を深め、企業への公共交通利用喚起や異業種と連携した利用促進なども計画する。(くまもと経済4月号に記事、川野)

平日朝、桜町バスターミナルに出入りする路線バス。各社によると、現在の利用は新型コロナ前の19年比で約8割の状況だという
路線バス5社は1月、セミコンテクノパーク周辺で渋滞緩和に向けた無料通勤バスによる社会実験を実施。写真は菊陽町の「ソニーセミコンダクタ九州前」
定時性・速達性の確保に向けたバス専用レーンの整備も課題に。写真は県道熊本高森線、花畑町付近