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駐車場に車泊可能システム導入… 九州周遊観光活性化コンソーシアム

2017年11月30日(木)

 九州を中心に20の企業や自治体などで組織する九州周遊観光活性化コンソーシアム(代表機関・トラストパーク梶&汢ェ市博多区、西岡誠代表)は、阿蘇の道の駅や長崎の島原城など7地域における、不稼働時間帯の駐車場で車中泊でき、無人運用が可能な電源供給型の駐車管理システムを導入した。総務省の委託事業で11月から利用を開始しており、熊本地震からの復興や九州の観光振興を目指す。
 総務省の2016年度第2次補正予算を活用した「IoTサービス創出支援事業」のシェアリングエコノミー分野にて、同団体が提案した「シェアリングエコノミー型九州周遊観光サービスモデル事業」が採択され、新しい旅の形「車泊(くるまはく)」としてサービスを提供する。総務省は、あらゆる機器をインターネットでつなぐIoT技術を活用したサービス創出を支援する委託事業を展開しており、同コンソーシアムは委託費の上限6千万円以内でシステムの整備費を賄うという。

「車泊(くるまはく)」としてサービスを提供

 同システムを導入する場所は、阿蘇市小里の「はな阿蘇美」、南阿蘇村久石の「あそ望の郷くぎの」、和水町江田の「道の駅きくすい」、錦町一武の「道の駅錦」、五木村甲の「道の駅子守唄の里五木」の5カ所。県外では、長崎県島原市の「島原城」、同県川棚町の「くじゃく荘」の2カ所に整備する。駐車スペースは1泊3千円。利用者はインターネットで予約し、利用料を前払いする。駐車スペースに新設する電源はネットを通じて提供する2次元コードを使用し、管理者を置かなくても電源を提供する仕組みとなっている。キャンピングカー以外でも利用できるよう、アウトドア用品のレンタルもネットで受け付ける。災害時は避難者も利用でき、利用料は駐車場を提供する施設6割、コンソーシアム4割で分割し、各経費に充てる。
 また、同コンソーシアムは車中泊をしながら九州を回る旅行スタイルの普及を狙い、道の駅周辺で、もの作りのワークショップやローカル鉄道での観光など、その土地ならではの体験を提供する新たな観光資源も開発している。
 コンソーシアムの代表で、駐車場の運営業務などを手掛けるトラストパークの西岡誠ソリューション本部次長は「小さな町や村にも知られていない魅力はたくさんあり、当システムの導入をきっかけに、これまで通過点だった場所への滞在を促したい」と話している。(中山)

駐車スペースに新設する電源はネットを通じて2次元コードを読み取り電源を提供する仕組みとなっている
一般車・レンタカーの使用者が手ぶらで車泊ができるように、各地でアウトドア用品や家電品等のレンタルなどを行い「グランピングパーク」として車泊ブランドの構築を図る