４月で２０周年、後継者の育成などに尽力・・九州動物学院�ｺ田竜之介学院長

竜之介動物病院は３０周年

「あっという間の３０年だった。１９９４年に竜之介動物病院を開業し、日々の業務を行う中で、業界を牽引する人材を育てていく必要性を感じ、開業から１０年後に九州動物学院を開校した。今後は、事業承継を見据えた後継者の育成など、人材育成に特化していきたい」と力を込めるのは、(学)昭�ｺ学園九州動物学院(熊本市中央区本荘６丁目)の徳田竜之介学院長。
今年４月、同院は開業３０周年、同学院は開校２０周年を迎える。記念事業として、記念式典の開催や同学院の２０周年記念誌の制作のほか、記念講演会も計画中だ。
開校以来、「敬天尊命」を院訓とし、動物の介護や飼育の技術はもちろん、命の尊さや人としての生き方を伝える教育にも力を注いできた。１９年には動物看護師を国家資格とする法案が成立。県が指定する県内唯一の愛玩動物看護師養成所として、２２年度に動物看護学科を３年制に改編した。今年４月に、初の３年生が誕生することから、新たに教室を設けるなど、学院内のリニューアルも行った。
「４月から全学生数は約１６０人体制となる。近年は、専門的な知識を学ぼうと専門学校を選択する学生が増え、入学当初から目標を高く持った学生が多い。学生は切磋琢磨して技術を学んでおり、学院内は非常に良い雰囲気」とほほ笑む。今後は３年次終了後に、より専門的な知識を学べるコースの新設や４年制への改編なども視野に入れている。　
「今後は、血液検査やＣＴ分野の専門など、それぞれの分野に特化した専門性の高い人材が求められる。目標に合わせて授業を選択できるなど、より高度な教育機関を目指したい」と意気込む。加えて今後も、人間力を磨く教育にも力を注ぐ考えで、「以前と比べて、終身雇用に対する意識が変化し、就職後にすぐ転職してしまう人もいる。職への考え方なども伝え、企業の発展に貢献できる人材を育成していきたい」と力を込めた。

卒業生との交流強化へ

今後は、ＯＢ会の充実など、卒業生との交流も深める方針だ。業界から一度は離れたが、再就職を希望する卒業生への支援などにも尽力。より高度な教育に力を注ぐためにも、現場での経験がある卒業生の中から職員を募集するなど、経験豊富な講師陣をそろえていく。
「今後は当学院を主体とし、学院に付属する動物病院として位置付けていきたい。動物のことを熟知した業界のプロフェッショナルを育成し、臨床の現場で飼い主に動物の特性や教育方法などを伝えられる人材を育てていく。人と動物の関係が密接なっていく中で、重要性が増す動物看護師の育成に今後も力を注いでいきたい」と抱負を述べた。(加藤)