１８日・１９日は全国の動物病院が休診する恐れ・竜之介動物病院の�ｺ田院長

　国家資格「愛玩動物看護師」が今年の４月に誕生する。ペット需要が増す近年、愛玩動物に求められる獣医療が高度化・多様化しつつあり、動物看護職の知識・技術向上や業務範囲拡大を図ることで、高度な獣医療の提供や獣医師の負担軽減を目指す狙いだ。一方で、動物病院は勤務体制の変革や課題への対応に追われる１年になると、�ｺ田竜之介院長は指摘する。
　直近の問題として、試験日とその前日である２月１８日と１９日は、全国的に動物病院が休診になることが予想される。これは同資格の初試験であることから、すでに動物病院で勤務しているスタッフも大勢受験し、現場で必要な人員が不足するからだ。
　「この２日間でペットに急変があっても、開いている動物病院が見つからない可能性がある。飼い主の方はあらかじめ、必要な薬や食事などが不足しないよう、かかりつけの病院に相談してほしい」と�ｺ田院長は呼びかける。
　また４月以降は、動物病院の勤務体制も大きく変わる。
　「国家資格なので、有資格者に対しては給与待遇などに配慮が必要。その一方で、長年勤務し経験はあるが、資格がない看護師との待遇差をどのようにするか、熟慮しなければならない」という。
　有資格者はこれまで認可されていなかった採血や投薬、カテーテル留置、マイクロチップ挿入などが可能になり仕事内容が大きく変わる。しかし臨床現場では臨機応変な対応も必要とされ、豊富な経験を持つベテランスタッフも不可欠だという。竜之介動物病院では約６０人のスタッフが現在在籍しているが、何人合格するかによって、業務分担や給与規定の内容を変えなければならない。
　�ｺ田院長は「人件費・診療単価上昇など経営面の問題もあり、病院側が対応しなければならない課題は多い。現在はどの動物病院も手探り状態にある。愛玩動物看護師資格養成所の指定校を有し、比較的に大きな基盤を持つ私たちがまず基準をつくる必要がある」と、課題解決に先進的に取り組む意向を示した。（東山）