トップ Companies くまもと経済EX 2007 経営改革を推進し、 総合設備提案企業への脱皮を図る
くまもと経済EX 2007

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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電力・運輸・建設・不動産
経営改革を推進し、 総合設備提案企業への脱皮を図る
協電機工
藤本 敏明社長
藤本 将行取締役(左)と城戸 昌子副社長(右)
 「設備工事を通して、お客様の大切な生命・財産を守るのが私達の仕事です。大事な生命・財産だからこそ、24時間365日体制でのメンテナンスに取り組んでいます。電話一本で照明器具の取替えなど、小さなメンテナンスにも対応することで、価格面以外の付加価値をお客様に提供しています。今後のビジョンとして、電気・管・空調など何でも提案・相談できる総合設備企業を目指し、住宅設備やオール電化リフォームなどにも取り組んでいきたい」と話す藤本将行取締役。
 同社は1950年10月に藤本敏明社長が電気設備業の藤本電気商会として個人創業。翌年、合資会社藤本電気商会を設立、53年には協和電設合資会社に商号変更した。65年頃には「管・空調設備への需要も増大する」との考えから、業界に先駆けて管工事・空調工事事業を開始。68年には協和工業株式会社と合併し、協和電設工業株式会社に商号を変更した。86年には協電機工株式会社に商号変更し現在に至る。現在従業員38人で、電気設備・空調冷暖房設備・給排水衛生設備から消防・防災設備の、設計・施行・保守管理まで業務範囲として活動している。
修理受付、24時間365日体制
 「お客様に喜んでもらうのが仕事の基本」との考えから、照明・空調・水周りなど、設備のメンテナンスに24時間365日体制であたっている。照明器具1点の修理から対応することで、「設備で困ったことがあったら、いつでも相談できるという安心感を提供できることが、当社の強みの一つ」と話す。また、工事代金の入金確認後に時期・気候に合わせたお礼状を郵送することで、顧客とのコミュニケーション深化へも注意を払っている。
 また、同社の強みの一つが技術施工社員を、アウトソーシングせず自社の正社員として抱えていること。「技術員の高い技術レベルが維持でき、結果的に顧客満足につながる」との考えだ。
 また、同社の特徴の一つに徹底した原価管理が挙げられる。年間1000件を超える大小の工事施工・メンテナンスの一件ごとに採算管理を行い、原価・利益まで計算し把握。工事の翌週には前週分の採算データを集計し、月次試算より早い段階で、財務状況をチェックしている。
能力給採用、顧客カルテ制作など、経営改革を推進
 直近数年間で、各種経営改革に積極的な取り組みを見せる。約5年前から新規事業として、交通信号機の施工・メンテナンス業務に参入。現在では年間数千万円を売り上げる事業に成長した。
 内部面では、社用車や各種オフィス機器のリース化により固定資産を大幅に削減。2005年にはオフィスの全面リニューアルを実施。個人情報保護法施行に合わせ、社員用スペースと来客用スペースを切り離し、個人情報保護体制を強化した。また、社員給与制度に能力給制度を新たに採用。「努力すれば、給料が上がる制度」にすることで、若手社員のモチベーションアップにつなげている。
 最近では、既存顧客ごとの取引履歴などを一元管理した「顧客カルテ」制作に取り組む。これまで担当社員ごとに属人化していた顧客情報を、データ化し共有することで、より迅速で的確な顧客別の対応が可能になる。
 「電気と機械の設備工事を通して、文化の向上と経済の発展に貢献する」「協力一致して事業の繁栄と環境の浄化に努め、社会的責任を果たす」「従業員の生活と福祉を改善しモラルと技術の向上を図る」との経営理念の具現化のため、現在5ヵ年度に渡る経営計画書を策定している。「経営理念を具体的な行動に移すには、より理解しやすい橋渡し的な言葉が必要」との考えからだ。また、若手社員を中心に毎週1回勉強会を開催するなど、社員同士の情報共有化や意識統一などに工夫を凝らす。
NPO法人設立し、ボランティア活動
 「熊本地域に育てられた企業として、少しでも地元の方のお役に立ちたい」「納税以外にも社会貢献できることはないだろうか」との思いから、2003年にNPO法人こころの奉仕市場(同地)を設立した。休日に有志の従業員が集まり、天草・宇城・菊池など、県内各地を訪問。落書き消し・清掃活動・除草作業からエアコンクリーニングまで、ボランティア活動を実施している。「電気設備修理や清掃活動に限らず、今後も続けていきたい」と意気込みを話す。
下請けから総合設備提案企業に脱皮を図る
 公共工事入札における一般競争入札の拡大など、工事平均単価の下落や競争激化などが予想され、逆風が続く建設業界。その厳しい状況の中、創業57年目を迎えた同社の大きなテーマは「脱下請け」「総合設備企業化による提案営業力の強化」。そのために、若手技術社員への営業研修の充実など、技術力と営業力を兼ね備えた人材育成を含めた人づくりと教育が今後取り組むべき課題の一つとなっている。
 同社では「施主様・個人のお客様と直接対応する工事・修理を増やすことで、エンドユーザー対応のノウハウを蓄積したい。下請工事や公共工事に頼らない、新しい経営基盤を築き、厳しい建設業界の中でも生き残りを図っていきたい」と、地元に密着した総合設備提案企業として、新たな道を歩み始める。
企業DATA
[所在地] 〒860-0811 熊本市本荘4丁目1-1(藤本ビル)
[TEL] 096-366-5221
[FAX] 096-366-6669
[資本金] 2080万円
[設立] 1951年8月9日
[事業内容] 電気設備設計・施工・保守、空調冷暖房設計・施工・保守、給排水衛生設計・施工・保守、消防防災設備設計・施工・保守、情報設備設計・施工・保守
[代表者] 藤本 敏明 社長
[従業員] 38人
[URL] http://www1.bbig.jp/kyoden-kiko.new/
[関連企業] エフティ興建株式会社

[採用情報]
●募集要項:高卒・専門学校卒・大卒 全学部全学科 若干名
●担当者:藤本 将行
※この記事内容は、くまもと経済EX:2007年7月1日発行分の掲載内容です。