トップ Companies くまもと経済EX 2007 創立60周年。 IT時代を支える総合エンジニアリング企業
くまもと経済EX 2007

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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情報通信・ICT関連
創立60周年。 IT時代を支える総合エンジニアリング企業
西部電気工業
7月に創立60周年
7月3日に開催した創立60周年記念式典
笠原 正昭社長
 今年7月3日に創立60周年の節目を迎えた西部電気工業梶i熊本市坪井2丁目、笠原正昭社長)。1947(昭和22)年の設立以来、情報通信設備関連、ネットワークソリューション、設備・土木関連、環境関連など、日々進展するIT社会をインフラ整備の面から支える九州トップの「総合エンジニアリング企業」として、時代の変化に即応し、顧客の要望と信頼に応え得る技術と専門知識、営業力で地域社会に密着した活動を展開してきた。
 同社の歩みは、九州の電気通信設備工事の歴史ともいえる。1947年7月に、福岡市に無線施設の建設保守を目的に設立した同社は、同年熊本市に本社を移転した。以降、業容の拡大とともに九州各県での拠点整備を進め、74年には福岡証券取引所、78年に大阪証券取引所、2001年には東京証券取引所の市場第1部に上場した。2003年9月には、福岡市に福岡本社ビルが完成し、熊本・福岡2本社体制で事業を推進している。


笠原 正昭社長
かさはら・まさあき 横浜市出身、1945年1月30日生まれの62歳。慶応義塾大学工学部卒。68年日本電信電話公社(現NTT)入社。福岡本部長、取締役技術部長、NTT西日本常務取締役大阪支店長などを経て2002年6月西部電気工業兜寰ミ長、03年4月社長就任。趣味は囲碁、ウォーキング、ゴルフ
4月に「技術センタ」「ソフトウェア事業部」を新設
 今年4月、同社は従来のNTT事業本部を廃止し、NTT営業本部とNTT設備建設本部を新設するなどの組織変更を実施した。きめの細かいサービス体制と組織力を生かすため変更したもので、NTT営業本部内に営業部とドコモ事業部を置き営業部門を集中した。また、団塊の世代の大量退職に伴う施工技術の伝承が重要課題の一つであるため、その対応策としてNTT設備建設本部に「技術センタ」を設置した。さらにソフト開発体制の強化と収益力の向上を図るために、営業本部内にソフトウェア事業部を新設するなど、次代に向けた体制造りを固めている。
「安全と品質」が最重要テーマ
光ファイバーケーブルの接続工事
 創立60周年を機に、笠原正昭社長は「創立の原点に立ち返り、『安全と品質の西部電気工業グループ』へ向けた取り組みを積極的に推進していく」と語る。より徹底するために、昨年から笠原社長自ら九州全域の営業拠点に足を運ぶキャラバンを実施、社員の生の声を聞く対話会を重ねてきた。その結果、対話の中から浮かび上がった課題などに対し、速やかに改善がなされるなど事故防止への実績が上がっている。
 また社内整備のため、1999年2月には本社と3支店で品質マネジメントシステムISO9001の認証を取得、2000年2月には登録範囲を全社に拡大した。02年4月には労働安全衛生マネジメントシステOHSAS18001に準拠した社内システムの運用を開始。情報セキュリティ面では、04年11月に第一IT事業部、第二IT事業部でISMSの国際標準規格(BS7799)と国内標準規格( ISMS認証基準・Ver.2.0)を同時取得、05年12月には東京支社でも拡大・取得した。さらに06年11月にはISO27001へ移行した。環境面では、03年2月に移動通信営業部で環境マネジメントシステムISO14001の認証を取得した。05年3月には熊本・福岡両本社などに拡大、06年2月には全社に拡大して取得するなど積極的な取り組みが見られる。
主力の情報通信工事は引き続き好調
太陽光発電事業の工場施設
環境事業にも積極的に取り組む
 事業の核である電気通信設備工事は、固定電話からインターネット関連のIP通信網へと需要は変化してきたが、NTTの光通信インフラ工事の受注増など光ブロードバンドの急速な進展で依然として好調な動きを見せている。光ケーブル工事、移動体通信網工事、CATV工事など永年培った技術力で、新しい時代のニーズに対応している。このほか電気設備や空調衛生設備の設計・施工、上下水道工事などの都市インフラ整備・土木工事関連。水処理施設、ごみ処理施設の建設工事やメンテナンス等の環境事業、太陽光発電システム販売など事業領域は広がっている。
 また、開発営業部門の強化を図り、IT関連、環境関連などにも積極的に取り組んでいる。「パソコンデータ消去サービス」や、「無線IP電話システム」、初期投資やサーバ管理の担当者が要らないASP方式の「介護事業者向けサポートサービス」、さらには「省エネルギー化LED(発光ダイオード)照明」の販売など、次々と新たなビジネスを立ち上げている。「一定のボリュームを持つコア事業があと2本は欲しいが、新規事業の開拓は簡単ではない。キチッとしたマーケティングと確かな技術力が必要不可欠」と語る笠原社長。「新ビジネスの創出は重要課題であり、その意味でも九州最大のマーケット・福岡を抱える北部九州エリアでの営業力強化がカギになる」と先を見る。
信頼に応える真に役立つ企業へ
 半世紀を超えて、信頼の技術力と確かな品質をベースに、九州の電気通信設備業界をリードする西部電気工業梶B「創立60周年を迎え、建設工事会社の基本である『安全と品質』を確固たるものにするため、全社で積極的に推進していく。これからもIT時代を支える総合エンジニアリング企業として、時代のニーズに対応しお客様の要望と信頼に応え、真にお役に立てる企業となるよう努力していく」と次のステージへ歩み始める。
企業DATA
[所在地] 〒860-0863 熊本市坪井2丁目1-42
[TEL] 096-344-1111
[資本金] 16億円
[設立] 1947(昭和22)年7月
[事業内容] 情報通信設備の設計・建設・保守、電気・管工事、土木工事、太陽光発電・環境関連工事、ネットワークソリューション等
[年商] 509億3,400万円(2007年3月期)
[代表者] 代表取締役社長 笠原 正昭
[従業員] 1,126人
[URL] http://www.seibu-denki.co.jp
[出先] 福岡本社、支社(東京、福岡、長崎、熊本、鹿児島)支店(大阪、九州・沖縄に8支店)
[関連企業] 西部電設梶A九州通信産業梶A九州電話運輸梶Aひばりネットシステム梶A公栄設備工業梶A兜汢ェ通信工材製作所、九州電機工業梶A叶m和

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※この記事内容は、くまもと経済EX:2007年7月1日発行分の掲載内容です。