トップ Companies くまもと経済EX 2007 “あなたのいちばんに。” をスローガンにベクトル結集
くまもと経済EX 2007

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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金融・保険・卸・流通・小売
“あなたのいちばんに。” をスローガンにベクトル結集
熊本ファミリー銀行
ふくおかフィナンシャルグループ発足
ふくおかフィナンシャルグループの発足式典
 熊本ファミリー銀行と福岡銀行の経営統合に伴い、4月2日付けで共同持ち株会社・(株)ふくおかフィナンシャルグループ(以下FFG)が発足した。   「(経営統合の)手ごたえは十分。最大、最強の地域金融グループを目指していきたい。」と会長兼社長に就任した谷正明福銀頭取。同グループは、総資産約9兆円、資金量約8兆円、貸出金約6兆円、従業員数約4600人―。日本屈指の地域金融グループとなった。
統合シナジーを早期に最大化する6つの戦略
熊本ファミリー銀行本店
 グループのブランドスローガン「あなたのいちばんに。」をベースに「いちばん身近な銀行」「いちばん頼れる銀行」「いちばん先を行く銀行」を標榜する。FFG中期経営計画(07年4月〜09年3月)では、グループガバナンス体制を確立し、両行営業戦略の融合により顧客基盤を拡大するとともに、事務・ITの共通化および人財の融和をもたらすメリットを追求することにより、統合シナジー効果を早期に最大化することを基本方針としている。戦略体系は「営業」「リスクマネジメント」「事務」「IT」「人財」「クオリティ」の6つの戦略で構成した。
 中期経営計画での目標指標は、連結当期純利益で420〜460億円(金利水準により)、連結不良債権比率1%台、連結自己資本比率10%、連結TierI比率8%、外部格付けAA格取得を見込んでいる。
 4月2日付けで熊本ファミリー銀行の頭取に就任した中村一利新頭取は「福銀との連携によるビジネスマッチングを強みに営業力強化、シェア拡大を目指す」と“福銀流”の陣頭指揮で経営改革を牽引する。
 07年3月期決算では、貸出金利息の減少及び国債等債券売却損の増加、さらに信用コストについては経営統合後の極小化を目的とした処理費用が増大したことから、業務粗利益、コア業務純益は減益、経常利益、当期純利益は損失の計上となった。これは経営統合を前に自己査定基準や貸倒償却・引当基準などの財務基準を極めて保守的といわれる福銀の基準に統一し、事業再生の対象先の拡大やスピードアップを図るため、不良債券処理を実施したためで、将来のリスクに対する備えは十分なものとなっている。
 経営統合初年度となる08年3月期連結決算の業績予想は、経常収益が410億円、経常利益、当期純利益は、それぞれ70億円を予想。単体のコア業務純益は125億円を目指し、信用コストは50億円程度に留まる見通しだ。さらに2年後の目標として、コア業務純益150億円、当期純利益90億円、不良債権比率3%台、県内貸出シェア28%(現在22%)を目標に掲げている。
FFG設立後、初の嘉島支店を出店、人財交流も本格化
6月27日にオープンした嘉島支店
 今期の滑り出しは、住宅ローンや投資信託が好調。福銀との経営統合でリテール強化を打ち出し、貸し出しでは、福銀のソリューション力を積極的に活用しながら協業態勢で、医療や介護分野などの新規開拓に力を注いでいる。
 人財交流面では、この8月から本格化させ、福銀から3人を熊ファミ銀の支店長、熊ファミ銀からは福銀の副支店長に5人を相互派遣する。このほか熊ファミ銀の管理者300人、営業・事務リーダー100人が福銀の営業店で研修を行っている。
 店舗展開では、昨年11月の菊陽支店に続き、FFG設立後で初の新規店として嘉島支店が6月27日にオープンした。今後も県内において出店を検討している。
経営統合の“強み”はビジネスマッチング
FFGの取引先320社が出展した大商談会「インフォネットフェステイバル」
FFGをはじめ横浜銀行、中国銀行など地銀8行で共催したビジネスマッチング「全国地銀合同商談会in上海
 経営統合による“強み”が発揮できる分野として1番に挙げられるビジネスマッチング。熊ファミ銀の恒例大商談会である「インフォネットフェスティバル」(5月18,19日)は福銀と共催になり、昨年の2倍に上る約2万人が来場した。出展社も昨年を100社上回る320社、このうち福銀から80社、FFGと経営統合する予定の親和銀行からも20社が参加するなど過去最大、西日本随一の規模となった。参加企業の成約額も昨年を大きく上回った。
 さらに6月7日には、FFGをはじめ、横浜銀行、中国銀行など有力地銀8行主催で「全国地銀合同商談会in上海」を開催した。主催行の取引先139社が参加、現地での来場約1500社、約2000人、商談件数は約3000件に上り、銀行主催の商談会としては上海で過去最大規模となった。
環境問題への取組み鮮明に
エコ活動の一環として、江津湖護岸の清掃を行う熊本ファミリー銀行の職員
 CSRの大きな柱として環境問題に取組んでいる。
 04年8月に「エコ宣言」を行い、05年9月にISO14001を認証取得、近年環境への取組みは本格化している。エコ活動の取組みとしては、政府の「チーム・マイナス6%」に参加し、「クールビズ」「ウオームビズ」を実践、消費電力や紙の使用量削減に成果を上げている。昨年からスタートした「夏の涼風<すずかぜ>定期」(夏の気温で金利が決まる)では販売予定総額を上回る152億円を販売、「熊本県地球温暖化防止活動推進センター」へ1,000万円を寄付している。
 「地域になくてはならない銀行」を目指す銀行像とする熊本ファミリー銀行。今後の経営計画の着実な実践により収益力を高め、いちばん身近な、いちばん頼れる、いちばん先を行く銀行へ―“あなたのいちばんに。”を目指しベクトルを結集させている。
企業DATA
[所在地] 熊本市水前寺6−29−20
[TEL] 096-385-1111
[FAX] 096-387-1906
[資本金] 342億円
[設立] 1929年1月
[事業内容] 銀行業
[代表者] 中村一利 頭取
[従業員] 1142人
[URL] http://www.kf-bank.jp

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2007年7月1日発行分の掲載内容です。