トップ Companies くまもと経済EX 2007 地域との接点強化し地元・熊本の発展を支える
くまもと経済EX 2007

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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金融・保険・卸・流通・小売
地域との接点強化し地元・熊本の発展を支える
熊本信用金庫
地元に根ざし、地域社会を活性化
 1923(大正12)年8月、当時の高橋守雄・熊本市長を中心に政財界有志が発起人となり設立された熊本信用金庫(熊本市手取本町、吉本國勝理事長)は「地域社会に密着し、金融業務を通して企業と家庭、そして郷土くまもとの繁栄と日本経済の発展に寄与する」を経営理念に事業を推進してきた。現在、熊本市内とその近郊に22店舗を展開、預金残高約1337億円(06年度平均)という業容を築いている。吉本理事長は「お客さま一人ひとりの顔が見える、地元に根ざした営業活動こそが信用金庫の最大の強み。地域社会の活性化に幅広く貢献していきたい」と話す。
経営体質の強化進む
 より安心・安全な地域の金融機関として、経営体質の一層の強化が進む同金庫。このほど発表した07年3月期決算は、経常収益が前年比3.8%増の34億3800万円、経常利益は98.3%増の4億2900万円の増収増益を達成した。増収は2年連続、増益は2年ぶり。預け金や有価証券の利回りの向上、不良債権処理額が大幅に減少したのが要因。また、預金の期中平均残高は、2.1%増の1337億6200万円、貸出金は1.5%減の798億6800万円だった。
 3月末時点で、自己資本比率は9.6%台に上昇、不良債権比率は6%台に低下し、経営力はより強固なものとなっている。今後に向け、個人ローンなどの小口・リテール分野に特化した営業展開で、更なる収益力の向上を目指していく。
個人事業主・中小企業の活性化に注力
 「地元企業のアイデアや技術を売上に結びつけるためのサポートをするのが金融機関の役割」と話す吉本理事長。個人事業主や中小企業の活性化にも積極的に取り組んでいる。資金面だけのサポートに留まらず、全国の信用金庫とのネットワークを活かしたベンチャーリンク社と提携した全国規模の商談会や、昨年から地元4信金共同で取り組む「コラボ産学官」での取り組みなどを通して、顧客間のビジネスマッチングにも力を入れている。
多彩な預金商品を展開
このほど発売した団塊世代応援定期「夢つづき」
 ユニークな個人向け商品も特徴の一つ。同金庫は今年4月、昭和21年から24年に生まれた“団塊世代”を対象に上乗せ金利を適用する団塊世代応援定期「夢つづき」を発売した。他にも、国の少子化対策に呼応した多子家族応援定期預金「子宝」では、金利を子どもの数に応じて上乗せ。子ども2人の場合には+0.2%、3人では+0.3%、4人では+0.4%、5人以上では+0.5%を上乗せする特典をつけている。また、年金受給者向けの定期預金「スーパー寿」、退職者などに向けた「プレミア定期500」などの多彩な預金商品を展開中だ。
熊本城復元整備基金へ3年連続の寄付
業務用バイクに「こども110番パトロール」のステッカーを貼り付けている
熊本城復元整備基金への寄付に対して幸山政史熊本市長(左)から感謝状を贈られた
 地域貢献活動にも意欲的に取り組む。地域の子どもたちの事件・事故防止を目指し、全22店舗に「こども110番の家」の立て看板を設置しているほか、渉外担当約60人の業務用バイクに「こども110番パトロール」のステッカーを貼り付け、業務中に見かけた不審者、危険箇所の情報を学校・警察に伝達する仕組みをつくっている。
 また、利息相当分を熊本城復元整備基金へ寄付する熊本城復元整備応援定期預金「城下町」も発売から3年目。5月には、利息相当分に上乗せをし、同基金に3回目となる100万円の寄付を行った。
Face To Faceの関係を重要視
 同金庫では「お客さまとのFace To Faceの関係の徹底」を基本戦略に掲げている。顧客と一緒になって事業展開を考える本部直轄の経営サポートチームのより一層の充実、また、顧客と直に接する渉外係の人材育成にも注力する。昨年末には、渉外係のハンディ端末のシステムを大幅に更新。顧客ニーズの素早い把握と最適な提案が可能な仕組みを整え、情報収集と活用の強化を図っている。
なくてはならない信用金庫へ
吉本 國勝 理事長
 「地域金融機関を取り巻く環境が変わりつつある中で、今まで以上にお客さま、地域との接点を強化していくことが求められる。地元のお客様からお預かりした大切な資金(預金積金)は、地元で資金を必要とするお客様に融資を行って、事業や生活の繁栄のお手伝いをするとともに、地域社会の一員として地元の中小企業者や住民との強い絆とネットワークを形成し、地域経済の持続的発展に努めたい」と語る吉本理事長。これからも「変革」「誠実」「感謝」のくましん三訓を堅持し、信用金庫の原点といえる地域密着の姿勢で、地域になくてはならない信用金庫づくりを進めていく。


吉本 國勝 理事長
よしもと・くにかつ 宇城市松橋町出身。1941(昭和16)年12月19日生まれ、65歳。熊本商業高校卒。60年熊本信用金庫入庫。業務部長、本店営業部長などを経て、95年理事、01年6月常務、03年6月第10代目理事長就任。趣味はジョギング、ゴルフ
企業DATA
[所在地] 〒860-0808 熊本市手取本町2-1
[TEL] 096(326)2211
[FAX] 096(322)7219
[事業内容] 信用金庫業務
[代表者] 吉本 國勝 理事長
[従業員] 247人
[URL] http://www.kumamoto-shinkin.jp/

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※この記事内容は、くまもと経済EX:2007年7月1日発行分の掲載内容です。