トップ Companies くまもと経済EX 2007 リース、不動産、商事・CAS事業を柱に 地産地消で地元熊本の元気を呼び起こす
くまもと経済EX 2007

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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金融・保険・卸・流通・小売
リース、不動産、商事・CAS事業を柱に 地産地消で地元熊本の元気を呼び起こす
熊本コーヨー
木村 三紀男 社長
 熊本を取り巻く経済環境や社会構造が刻々と変化していく今日、「活力ある熊本づくりに必要な企業とは」と考えたとき、地場企業・地域経済の将来設計をする上で熊本コーヨー鰍抜きに考えることはできない。同社の持つ地域密着型の企業展開が今後、より一層求められてくるに違いない。熊本コーヨーは総合リース事業、不動産業、商事事業・CAS事業を中核に幅広く地元熊本を応援し続けており「地産地消の考えを基礎に地場企業と共に成長していくのが同社の役割」と木村社長は話す。


木村 三紀男 社長
きむら・みきお 1940(昭和15)年2月生まれ、67歳。八代郡氷川町(旧竜北町)出身。熊本学園(旧熊本商科)大学卒。1958年熊本相互銀行入行、92年熊本ファミリー銀行常務取締役、93年6月熊本コーヨー且ミ長に就任。趣味はゴルフ。座右の銘は「夢」。
リース、不動産そして、環境、熊本のあらゆるニーズに対応
紺屋今町の本社ビル
 熊本市内を中心に不動産や新たなビジネスの動きが活発化している近年、同社は熊本の将来を見据えた総合リース、不動産事業を着実に展開していくため、付加価値の高いサービスとビジネスサポートの強化を図っている。
 現在、本社ビル南側に建設を進めている立体駐車場をはじめ、企業の求めるオフィス・各種テナントの斡旋・企画、賃貸ビルの管理・運営、不動産の有効活用に関した具体的提案などあらゆる不動産事業に力を注いでいる。
 また、同社の総合リース事業は、長年培ってきたネットワークとノウハウを基盤に、情報関連・オフィス機器からカーリースなど幅広いリース事業を含め高度化する企業のニーズに対応している。
 企業の社会的責任、地域貢献を常に考えている同社は、地球環境に配慮した経営を目指しISO14001の認証を国内のリース会社としては3番目に取得しており、植樹作業など環境ボランティア活動にも全社員が積極的に取り組んでいる。地域貢献においても、今年築城400年を迎える熊本城復元整備基金への寄付など企業活動を通じた地域活性化にその力を発揮し続けている。地域経済における人、物、資金を好循環に導く地産地消のビジネス環境構築を目標に前進し続けている。
 熊本にとって大きな転換期を迎える近い将来、地場企業の価値を高め、そして活気あるまちづくりに貢献する熊本コーヨーの動きに期待が高まる。
全国初、地域密着の特性を生かしたCAS事業に挑戦
今年5月に熊本市グランメッセで開催されたインフォネットフェスティバルにおいても多くの業界関係者から注目を集めた
 『CAS』、セル(細胞)・アライブ(生きている)・システム(通称:キャス)は、従来の冷凍と異なり食材・食品の持つ新鮮さと美味しさを長期間変質させずに凍結する新方法として日本国内はもとより世界各国の食品関連業界で既に導入が始まっており、高い注目を集めている。
 高級料理店や食品加工会社側では収穫・漁獲高に限らず安定した価格で美味しい食材を確保でき、生産者側はおいしさをそのままに長期保存でき、市場価格の変動に左右されることなく安定してダイレクトに供給することができる。生産者、消費者の両方にとって高いメリットをもたらすことができる。
 熊本コーヨーは地域の農業・漁業などの第一次産業に元気を呼び戻し、熊本・九州の経済を活性化させる方法はないかと模索を繰り返す中、このCASの機能にいち早く着目。昨年鹿児島のブリやカンパチの養殖をしている水産会社向けに初めてCASを導入し、今年5月より九州総代理店としてCASを開発した潟Aビー(千葉県我孫子、大和田哲男社長)の完全バックアップのもと、本格的に販売を開始した。
 今年7月には本社ビル内に実際にCASの機能を体験してもらうための展示スペースの設置を予定。沖縄も含む九州各県に向けて九州の中心に位置する熊本の地理的利点を生かしたCAS事業の積極的展開を進めている。
 九州の高品質な生鮮食品、食肉、魚介類、お菓子などを関東・関西のマーケットへ生に近い高品質の状態で供給できることは、その付加価値を十分に高め、本物の味を食卓へ届けるといった従来コストが高くつき不可能だったことを可能にできるシステムといえる。機械の設置も今ある急速冷凍装置や冷凍保管庫に取り付けることが可能で、規模も大小幅広く対応でき今後の普及が見込まれている。
 「CASの設備を売った買ったではなく、どのように普及し、活用され、どういった出口で市場に貢献することができるかが重要視されるべき」と同社は考える。九州の第一次産業生産者が潤うシステム作りのために流通経路を確保し、地場の海の幸、山の幸を大都市圏へダイレクトに流通させ、地域経済に活気を導く手段としてCASの普及・拡大に向けた同社の挑戦は続いている。
限りなく生に戻す注目のシステム
CAS機能付き急速凍結装置で凍結した食材細胞
急速凍結装置のみで凍結した食材細胞
 従来の冷凍では水分子が膨張し、水分と素材が分離、一方でCASは磁場エネルギー発生装置で微弱なエネルギーを加えながら表面を凍らせることなく「過冷却」状態を保ち、最後の段階で一瞬に凍結する。水分子を均一に保ったまま凍結することで細胞組織が破壊されてしまうことなく、解凍後も食材・食品の香り、風味、食感、美しさを残すことが可能となる。
 CASのコンセプトはこれまでの冷凍食品・生鮮食品と異なっており、冷凍して長期保存する世界から一転して、「生に戻す」世界に目を向けている。市場に並ぶ生鮮食品は収穫し、輸送する間にどうしても品質が落ちてしまう。CASは解凍後、限りなく生に近い状態まで再現でき、消費者が手にする生とほぼ同じ品質を維持していると考えられる。
企業DATA
[所在地] 〒860-0012 熊本市紺屋今町2-1
[TEL] 096-325-3833
[FAX] 096-322-3955
[資本金] 7,000万円
[設立] 1975(昭和50)年9月
[事業内容] 総合リース、不動産事業、CAS事業、携帯電話・各種物品販売など
[代表者] 木村 三紀男 社長
[従業員] 34人
[URL] http://www.kumamoto-koyo.com
[出先] 鹿児島支店(鹿児島市中央町13-1)

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2007年7月1日発行分の掲載内容です。