トップ Companies くまもと経済EX 2007 利益率の高い園芸・ペット部門強化で 他社と差別化。地域一番店を目指す
くまもと経済EX 2007

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利益率の高い園芸・ペット部門強化で 他社と差別化。地域一番店を目指す
(株)ホームセンターサンコー
錦町にペット&グリーン併設の複合型店舗オープン
7月末にオープンするホームセンターサンコーサンロードシティ店
中山 耕吉 社長
 ホームセンター18店舗(内FC3店鋪)、ペット&グリーン(P&G)4店舗を展開する(株)ホームセンターサンコー(熊本市東町、中山耕吉社長)。2010年までの中期経営計画では売上高30億円の上積みを目標に利益率の高いP&G店鋪の多店化による業績向上を図る。県外資本の進出が過熱。県内の流通業界はこれまで以上に厳しく、同社も企業色を全面に打ち出し差別化を図っている。中期経営計画のもとに、昨年からスクラップアンドビルドによる既存店舗の改装、見直しと同時に体質改善にも取り組み、より充実した店舗づくりで地域一番店を目指している。
 その一環として、7月末のオープン予定で、新築移転する球磨郡錦町のホームセンターサンコー「サンロードシティ店」。ペットと園芸専門店「ペット&グリーン」を併設した新しい複合型店舗。店舗面積はホームセンターが3600u、ペット&グリーンが3000uで、既存店舗の2倍の売り場になる。利益率が高く集客力のあるP&Gを併設させ、複合店による相乗効果でホームセンター部門の売上増加を狙う。既存の商品構成を見直し、取扱アイテム数も増やしていく。また、複合商業施設内にあることから、商圏を人吉・球磨、えびの、小林まで広げ、モールの特性を生かし集客の増加を見込んでいる。サービス面を強化するためスタッフ数も従来の店舗よりも10人程度増員する。
 また、既存店のリニューアルも検討しており、今後、競合対策として鏡店のリニューアルなども積極的に進める方針。商品構成も少子高齢化社会に対応した介護商品やセキュリティ商品なども取り揃えていく。本山店、東バイパス店、北部店の自転車館もニーズをとらえ、メンテナンスやアフターフォローを含め来店数は増加している。


中山 耕吉 社長
なかやま・こうきち 熊本市大江出身。1935(昭和10)年2月20日生まれの72歳。熊本商科大学卒。趣味は剣道(教士7段)、ウォーキング、ゴルフ。座右の銘は「念ずれば花ひらく」。
福岡都市圏で年1店舗の出店構想
 同社の核に成長したペット&グリーン。収益性の高く団塊の世代やストレス社会の「癒し」を追い風に客足、売上ともに安定した業績を残している。昨年11月、県外初出店となる「福岡東店」を糟屋郡志免町にオープンした。週末のペット生体の売上高は熊本の3店舗を含めた4店舗の中で一番高いという。このオープンによって県外に対する認知度が高まり、今後、商圏を見極め福岡都市圏や県庁所在都市に年1店ペースでの出店構想を描いており、FC方式での出店も検討している。並行して熊本県内の既存店では、ペット&グリーン館の出店ではなく、売り場内の園芸およびペット部門の拡充を行う。「この業態は収益性が高いものの、きっちりしたスタッフとノウハウを持ち合わせていなければ難しい市場。人材育成が今後の出店の大きなカギになる」という同社。そのために来春入社の新入社員の半数近くは園芸・ペット部門へ配属する。また、入学卒業シーズンや母の日、クリスマスなど同社スタッフが手作りでイベントを盛り上げ、お客さまの購買意欲を高めている。
ホームイング事業を積極展開
 これまでは化粧台や浴槽、トイレなど、店鋪に来店されたお客さまからの設置依頼を主に施工してきたホームイング部門。造園も公共工事の入札に参加できるほどの技術力を持つ。昨年10月に組織改正を行い、リフォーム事業の売上拡大を目指す。これまで受身だった営業スタイルを積極営業に変え受注増加を図った。「施工実績は確実に増加した。団塊の世代のリフォームや高齢化社会による改修など市場は確実にある。不当な料金請求など悪徳業者による被害もあり社会問題化している。当社の信用力をベースにしっかりした提案と施工を行い、お客さまに安心していだだけるリフォームを行いたい」と中山社長は話す。
サンコーカード会員数60万人
 お客さまの利便性の向上とサービスの強化として、クレジット付のサンコーカードをリニューアルした。登録会員数は従来のカードも合わせ60万人を超え、利用頻度も徐々に増加している。あまり知られていないが、同カード会員向けには様々なサービス特典がある。高齢者や自転車での来店者のための無料配達サービス。お客さまのDIYをお手伝いするための木材の無料カット、工作室の使用、電動工具の貸し出し。さらに軽トラックの無料貸し出しまで幅広いサービスがある。価格だけのサービスではなく、県外資本や大手企業ができない地域密着型の店づくりを実践している。お客さまが楽しく買物ができる売場づくりやスタッフ教育も行い安定的な経営基盤を構築する。
 今春は46人の新入社員が入社した。「厳しい時代ではあるが、若い時代の経験は将来に自分に必ず役に立つ。大きな計画を持ち有意義な人生を過ごしてほしい」と若い力に大きな期待を寄せている。
企業DATA
[所在地] 〒862-0901 熊本市東町2丁目1番15号
[TEL] 096-367-5914
[FAX] 096-365-2729
[資本金] 4億9,500万円
[設立] 1986(昭和61)年6月3日
[事業内容] ホームセンター事業、ペットと園芸の専門店の経営、建築・土木・造園緑化工事請負
[年商] 138億6,800万円(平成19年3月期)
[代表者] 中山 耕吉 社長
[従業員] 700人
[URL] http://www.hc-sanko.co.jp
[出先] ホームセンター◆熊本地区:東町店、本山店、東バイパス店、北部店、宇土店、荒尾店、天水店、鏡店、本渡店、サンロードシティ店、免田店、湯前店、◆福岡地区:上津店、筑紫野店、◆佐賀地区:唐津店 ペット&グリーン(東町店、本山店、東バイパス店<ペット館、グリーン館>、福岡東店)
[関連企業] イエローハットグループ

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2007年7月1日発行分の掲載内容です。