トップ Companies くまもと経済EX 2007 社員が自らが創り出す 新しい熊本リコーのカタチ
くまもと経済EX 2007

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

■製造・農業  ■電力・運輸・建設・不動産 
■情報通信・ICT関連  ■金融・保険・卸・流通・小売  ■飲食・サービス  ■医療・医療関連・教育 
金融・保険・卸・流通・小売
社員が自らが創り出す 新しい熊本リコーのカタチ
熊本リコー
世界トップクラスのシェア
 リコーグループは、世界で複写機やプリンターなどの事務機器を中心に、製品の開発・生産・販売・サービス・リサイクルなどの事業を展開している。製品面では、日本市場におけるオフィス用白黒複写機の分野で2004年シェアNo.1、カラー複写機ではシェアNo.2、米国市場では両分野においてシェアNo.2にランクされた。また、ヨーロッパ市場のオフィス用白黒複写機分野では、8年連続シェアNo.1というように、世界トップクラスのシェアを誇る。
 同グループでは、全社員が地球・企業市民であるという理念の下、人と地球にやさしい企業、グローバルに継続的な発展を目指す企業活動を進めている。経営層自らが「企業の社会的責任(CSR)」を果たすことを表明し、施策・マネジメントシステムの下で活動を行う。国内外を問わないコンプライアンス活動はもちろん、地域発展に資する活動、環境保全活動、世界一のモノづくり、顧客とのゆるぎない信頼関係、卓越した業績などにより自ら経営の品質を高めて行く企業経営活動。さらには企業市民としての責任ある行動と社会への貢献を行う社会的責任活動を進めている。
高度情報社会の推進役としての熊本リコー
 熊本リコー鰍ヘ、潟潟Rーと地場有力企業である金剛鰍フ共同出資により設立された総合商社である。創業以来、強力な販売とサービス体制で熊本県下のOA業界をリードしてきた。財務面でも、創業から赤字決算がなく無借金経営を維持しており、安定した企業である。複写機とプリンターはカラー化が進むにあたり好調で、今後も伸びが期待できる。ますます進展する熊本の「高度情報社会の推進役」としての役割を果たし、顧客に役立つ提案の推進に力を注ぐ。また、ほかには類を見ない24時間365日ワンストップで、北海道から沖縄、離島まで全国均一のアフターサービスが可能だ。また、ISO9001/IQNet9004、14001の認証を取得するなど品質経営にも余念がない。
「経営改革委員会」を設立
 昨年4月、松尾社長は就任時に「常識の打破・知恵の融合・自ら始めの一歩」という3つの方針を掲げた。旧態依然とした考えを捨て、変化に対応しながら創出される新しい発想をみんなで共有し、最後は自らで考えたものを自らが責任を持って実行する。トップダウン、上位下達、受身体質、会社全体への無関心。企業に蔓延する悪しき習慣を徹底的に見直し、社員が主体的に成果や業績に関心を持ち、自分がどれだけ貢献できるかを考える。今年5月に「経営改革委員会」が設立されたのもこのような背景からである。20から30歳代の若手・中堅社員を中心に構成された同委員会は、5つのチームに分かれて業務や営業プロセスの改善、社内インフラ整備や収益体質の強化を討議している。その中でも注目すべき「採用プロジェクトチーム」は、採用活動におけるプロセスごとに細分化したチームで構成されており、“一緒に働きたい人を選ぶプロセスに社員みんなが関心を持つ”をコンセプトに活動している。
自分たちで仲間を選ぶ
同社のカラーを表現した採用HPのトップページ
若手社員中心の採用プロジェクトメンバー。前から2列目中央が松尾社長
 同チームには、全社員の1/3を超える約50人が参加、企業説明会や面接官、内定者へのフォロー活動を行う。今まで一部の人事担当者が行っていたプロセスに現場の社員が関わることで、「一緒に働く仲間を自分たちで選ぶ」という考えを共有し、社員一人一人が経営者の観点で学生を見るようになった。「学生も、入社時点で既に50人近い先輩社員の顔を知ることとなり安心感があるのでは」と採用チームリーダーは語る。また、この活動には「採用活動に携わった社員が、“熊本リコーとは”“仕事とは”という原点に立ち返る機会となる」という本質を併せ持つ。事実、昼休みなどで採用に関する話題を口にする社員が増えたようだ。しかも「当社のイメージ、柔軟な発想力、姿勢や態度などについて、自分達が勉強させられることも多い」と関係者は語る。
 現在、数人の内定者を選出し、各種フェアやイベントへの招待、東京本部ショールーム見学ツアーなど、今までにないフォロー活動を計画・実施している。そして、その内定者が入社した折に、翌年度の新卒者採用活動への参加を呼びかけていく。学生時代に新しいカタチの採用活動で感じたものを、率直な意見として取り入れ、活動をさらに進化させていく考えだ。「会社が発展し続けるために一番必要なのは、やはり“人財”ではないでしょうか。優れた人財を採用するプロセスに多くの社員が携わることで、その人もさらに優れた人財になっていく。そんな相乗効果を期待しています」(チームリーダー)。
 試行錯誤を経て進めてきたこの新しい採用活動。学生と社員の双方にメリットをもたらすとして、九州内にある他のリコー販売会社も取り組み始めたようだ。チームリーダーは語る。「熊本発のこのプロジェクトで、リコーグループ全体が発展し続けられたら最高ですね」。
企業DATA
[所在地] 〒861-8501 熊本市下南部3丁目10-32
[TEL] 096-380-8111
[FAX] 096-386-4010
[資本金] 1000万円
[設立] 1972(昭和47)年10月
[事業内容] リコー製複写機、プリンター、ファクシミリおよびパソコン、ネットワークシステム、ITサービスの販売と保守
[年商] 56億円(06年3月期)
[従業員] 約140人
[URL] http://kumamoto-ricoh.com/
[関連企業] 潟潟Rー、リコー九州梶Eリコーテクノシステムズ梶Aリコーリース梶A鰍mBSリコー

[採用情報]
●募集要項:OAプランナー(営業職)
●応募資格:全学部全学科
●問い合わせ先:詳細はホームページ上にて
※この記事内容は、くまもと経済EX:2007年7月1日発行分の掲載内容です。