トップ Companies くまもと経済EX 2007 業界屈指のリサイクル企業が「廃棄物ゼロ社会」に挑戦
くまもと経済EX 2007

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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飲食・サービス
業界屈指のリサイクル企業が「廃棄物ゼロ社会」に挑戦
有価物回収協業組合 石坂グループ
熊本市戸島町の本社工場
 「資源物の徹底したリサイクル化と廃棄物の適正処理を推進し、今後も地球的環境保全の一端を担うべく、前進していきたい」。石坂孝光理事長はこう語る。
 「環境」が大きくクローズアップされるようになった昨今、県内最大級のリサイクル施設をもつ石坂グループは、資源のリサイクル化を積極的に推進し、現在、県内9市20町村の資源物リサイクル化推進事業を実施。年間で自治体系約2万トン、事業系約2万トンの資源リサイクル化と約20万トンの有価物原料化を進めている。「県や市町村をはじめ地域住民のご理解とご支援を受けて、ここまで事業を展開することができ感謝している」と同理事長はこれまでを振り返る。
 昨年5月には、本社隣接地に建設していた総合リサイクル施設の第2工場が完成した。総工費17億円かけ建設した施設は、本社隣接地約1万8152平方メートルに高カロリー固形燃料「RPF」の生産工場など合計10棟で構成し、多品目のリサイクルが可能になった。また、本社敷地内には環境事業部事務所を設け、ガラスやビーズなどでの工作や紙すきの体験工房、研修室を開設、紙すきや色付きのガラスを使用したアート作品制作などを通じ、リサイクル商品に触れる環境関連の啓発施設として活用。施設内は一般公開し、年間4千人の見学者を受け入れ、資源リサイクルへの理解を促している。
丸光グループと共同で玉名市に再資源化中間処理場を建設
 玉名市が許可した一般処分場では第1号となる処理施設がこのほど、同市山部田に完成した。
 建設業などの丸光グループ(山田浩之社長)と石坂グループが共同出資して設立した葛ハ名リサイクルプラザが建設した。約1万平方メートルの敷地に事務所や工場など、総延べ床面積2千平方メートルの工場を建設。環境教育のための研修室も設けた。家庭や事業所から出る古紙やペットボトルなどの廃プラ、カン類などの資源ゴミを圧縮機で処理し、再資源化物はリサイクル製品の製造業者に販売する。処理能力は1 日あたり、廃プラが345トン、古紙が318トン、カン類が1500トン。初年度処理目標は古紙が5千トン、廃プラが1千トン、カン類が1500トン。
 「循環型社会の構築を目指したい」と石坂理事長。初年度の販売目標は2億円を見込んでいる。
熊本港ポートセールス協議会から感謝状の贈呈受ける
3年連続で贈呈を受ける石坂理事長
 去る5月29日、石坂グループは、熊本港ポートセールス協議会(熊本市水前寺6丁目)から感謝状の贈呈を受けた。これは3年連続となる快挙だ。
 同グループは、同港の大口利用荷主企業の1社で、地域港の間で競争激化の中、主に古紙、カレットの取扱いで港を利用し、取扱量が堅調に伸びてきている同港へ貢献している。「地理的にみても、物流機能の中心である熊本港の国際コンテナ航路を利用し熊本の静脈物流の発展に貢献していきたい」と同理事長。創業28年目を迎える同グループは、今後も地域貢献へ一層力を入れる。
第1回環境フェアに2千人、地域住民への感謝祭で親睦深める
第1回環境フェアには2千人が集まった
 昨年10月29日、熊本市戸島町の本社工場内で開催した「第1回環境フェア」。地域住民をはじめ約2千人が集まり、盛大なうちに終わった。 
 当日は、飲食店ブースやリサイクル商品を展示したフリーマーケットコーナー、豪華商品が当たる「お楽しみ抽選会」など盛りだくさんの内容で、多くの参加者により大いににぎわいを見せた。また、環境ブースを設け子供たちが紙すきを体験、資源リサイクルへの啓発を促した。
 「地域住民の方へ感謝の意味を込めて開きました。本日は環境問題とゴミの減量、リサイクルの3Rを楽しく学べる1日にしてほしい」(石坂理事長)。「地域とともに」の事業理念が石坂グループにはある。
「廃棄物ゼロ社会」の実現に向け、さらに前進
 21世紀を迎え、グローバルな視野で環境問題への取り組みが真剣に考えられている今、石坂グループは「廃棄物ゼロ社会」の環境社会の実現を目指している。
 「今後も地域密着型の企業理念を貫き、地域社会に君臨し、社会的に存在価値のある企業として前進していきたい」と前を見つめる石坂理事長。業界屈指のリサイクル企業としてさらなる事業拡大、そして新規事業開拓に力を注ぐ同グループが繁栄していく以上、この精神が消えることはないだろう。
企業DATA
[所在地] 〒861-8031 熊本市戸島町2874
[TEL] 096-389-5501
[FAX] 096-389-5502
[資本金] 7千万円
[設立] 1979(昭和54)年5月
[事業内容] 古紙・再生資源の収集選別・加工処理、産業廃棄物処理
[年商] 22億4959万円
[従業員] 150人
[URL] http://www.ishizaka.gr.jp/

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2007年7月1日発行分の掲載内容です。