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くまもと経済EX 2007

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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創業40周年、地域と共に 「地球環境の明日」を見つめる
野原産業グループ
管理型最終処分場(=熊本市楠野町)、場内の地下水でヤマメやホタルの幼虫などを飼育している
野原 雅浩 社長
 「地球にやさしく、人々を思いやり、地球とともに生きていく」。この言葉は、今年で創業40周年をむかえる野原産業グループの創業者である野原真蔵会長が長年培ってきた事業理念だ。
 同グループは、産業廃棄物処理業・(有)オー・エス収集センター、(有)北部産廃、自動車整備、解体業・(有)野原産業、農業・林業経営・(有)のはら農研塾で構成している。オー・エス収集センターでは2005年6月、有毒ガスや土壌汚染、汚染水の浄化方法および浄化装置で国際特許を取得。汚染土壌と汚染水を化学物質無しに、吸着固定させ、無害化処理している。また安定型と管理型の最終処分場をもつ同社は、管理型で環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14001」認証を取得している。さらに、環境カウンセラーが在籍し、環境保全に関する知識を生かし、環境活動からリサイクルまで最新の情報と技術を提供している。
 現在、処分場の拡大を実現するため、環境アセスメントを進行中で、今後も「地域と共」の理念で地域密着型企業として前進していく。


野原 雅浩 社長
のはら・まさひろ 熊本市出身。1960(昭和35)年8月22日生まれの46歳。玉名工業高校‐熊本商科大学中退。熊本市内で中古車販売店経営を経て、92年(有)北部産廃入社。2002年(有)オー・エス収集センター入社、05年4月社長。趣味はゴルフ。04年環境カウンセラーの資格を取得。
リサイクル施設を建設、障害者の雇用促進事業を推進
今年2月に完成したリサイクル施設では障害者を積極雇用し、社会復帰を促している
 今年2月、オー・エス収集センターは、同社の最終処分場敷地内にリサイクル施設を建設した。身体障害者や知的、精神障害者などの雇用促進事業を推進し、また、同グループにおけるリサイクルの拠点として建設したもの。
 同施設は回収したビンやカン、ペットボトルをベルトコンベヤーで運搬し、選別ラインでは流れてきたものを障害者が品物別に選別作業する。雇用人数は14人(うち障害者は12人)。施設には車いす用のエレベーターや休憩室、トイレを設置するなど職場環境を充実し、雇用障害者への配慮を促す。雇用募集に関しては、公共職業安定所(ハローワーク)や都道府県労働局主催の合同説明会を通じ行っており、面接時に通勤手段など障害による配慮が必要かどうかを確認している。
 また、都道府県労働局などが主催する研修会や講習会に積極的に参加し雇用の理解を深め、さらには、受け入れ態勢の充実、労働条件への配慮など総合的なサポートに取り組んでいる。
「環境と福祉の両立を目指す」
 同施設を建設した背景について、同グループの野原真蔵会長は「会社の理念である『環境と福祉の両立』という精神のもと施設を運営していきたい。働く意欲はあっても働き口のない障害者を積極雇用するとともに、彼らの社会復帰を促すことができれば」と前をみつめる。
 一方、野原社長は「世の中には多くの障害者が存在する。仕事に就くことを通じ、社会に参加し、働く喜びや生きがいを見出していくことを希望している彼らの立場を尊重し、障害を持つ人・持たない人、その誰もが働ける社会“ノーマライゼーション”を目指したい」と話す。
毎年恒例のホタル祭りで地域住民との交流深める
地域住民との交流イベント「ホタル祭り」は毎年恒例の行事となっている
 去る5月19日、熊本市大鳥居町の北部産廃の最終処分場敷地内で開いた「ホタル祭り」に地域住民ら約400人が参加した。地域住民との交流を深めるため、毎年恒例の大型イベントとなっている。冒頭で野原会長が「地域の皆さまのおかげで、今年も盛大な祭りを開催できました。今後も自然との共存を目指し、環境保全に努めていきたい」とあいさつ。当日は、処分場にあるふか場で飼育したホタルを来場者に披露したほか、ステージ上での太鼓披露やカラオケ大会などもあり、大いににぎわった。
 今年で9回目をむかえる「ホタル祭り」。地域密着型企業を目指す同グループにおいて、処分場を一般公開することで、処分場の安全性を訴えている。
建設汚泥・汚染土壌の再資源化プラントを建設8月中に本格稼働へ
8月中の本格稼動を予定している再資源化プラント
 オー・エス収集センターは、同本社敷地内の約1800uに建設汚泥・汚染土壌の再資源化プラントを建設した。総事業費は約1億2千万円。
 これまでは管理型最終処分場で埋め立てていた建設汚泥や汚染土壌を同施設で中間処理し、再生骨材や路盤材として業者に販売する。1日あたりの処理能力は64立方メートル。「再利用出来るものは可能な限りリサイクルし、循環型社会の構築につなげたい」と野原社長。本格稼働は8月中を予定している。

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 今年で創業40周年を迎える野原産業グループ。地域と共に地球環境保全への貢献、そして「環境と福祉の両立」に向け、新たな一歩を踏み出す。
企業DATA
[所在地] <泣Iー・エス収集センター>〒861-5511 熊本市楠野町1046−2
[TEL] 096−245−0110
[FAX] 096−245−0777
[資本金] 500万円
[設立] 1980(昭和55)年9月
[事業内容] 産業廃棄物処理
[代表者] 野原 雅浩 社長
[従業員] 35人

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※この記事内容は、くまもと経済EX:2007年7月1日発行分の掲載内容です。