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くまもと経済EX 2007

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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医療・医療関連・教育
環境保全を考えて ケナフの植栽と「ものづくり」の推進
EMS環境推進室
熊本市練兵町の事務所兼ギャラリー。同室がイ草を活用して作ったランプシェイドを展示している。
原嶋 友子 代表
 熊本からものづくりを発信していこうというEMS環境推進室。22世紀に向けた循環型社会の構築と生活環境保全のために2004年10月熊本県インキュベーション施設夢挑戦プラザ21に入居した。07年4月には事務所を熊本市練兵町の早野ビルに移転。同時にイ草縄工芸のギャラリーをオープンさせ、イ草縄工芸部の縄眞が制作したランプシェイドなどを展示している。


原嶋 友子 代表
はらしま・ともこ 1969年生まれの37歳。熊本市出身。長崎ウエスレアン短期大学卒。22世紀に向けた環境型社会の構築と生活環境保全のため2004年10月に創業した。
環境学習を子供たちと一緒に
 子供たちの環境学習の一貫として現在、身近な県産材であるイ草の縄を使ったものづくりやCO2を吸収し、地球環境に貢献するケナフの植栽とものづくりを推進している。
 (有)井上産業の細縄を使い同室が考え出した「イ草縄工芸ものづくりキット」は畳にするには長さが足りないなどの規格外のイ草と阿蘇市波野産の杉や檜を台座に使ったものづくりキット。アレンジ、巻き方を自由に楽しめ、身近な県産材であるイ草に触れられる。このキットを使い、県内学校の技術・家庭科の時間(網田中学校・帯山中学校・富合中学校・氷川中学校・熊本大学)やイベント会場、熊本県伝統工芸館の体験教室などでものづくりを教えている。体験した子供たちは「新しい畳の匂いがする」と大喜び。「私、イ草縄工芸部の縄眞、井上謙次郎(有)井上産業3代目の3人でここまで作り上げました。熊本の人たちに県産材のよさを知ってもらおうとこのキットはできあがったようなもの。今では県外から問い合わせがくるようになりましたが、まずは県内に根付かせていきたい。よさをわかってくれるところにわかってもらえればいいですね」と話す。現在この作品が出ているところは本当に共感してもらっているところだという。
 CO2を吸収し、地球環境に貢献するケナフ。同室では地球温暖化防止と栽培後の有効活用のために県内で植栽活動を行っている。ケナフは成長すると幹の太さ3〜5cm、高さ3〜5mにもなるアオイ科ハイビスカス属の一年草の植物。茎から良質の繊維が採取されるため、紙の原料になるなど活用されており、炭せっけん(根を活用)、ランプシェイド、紙すき手づくりはがきなどいろいろなものが出来る。熊本大学教育学部技術家庭科の田口浩継准教授や熊本大学の学生らと連携し、環境学習の一貫としてケナフの栽培やものづくりに取り組んだのは、坂瀬川幼稚園(苓北町)、託麻南小学校、八嘉小学校(玉名市)、春日小学校(ものづくりのみ)、付属中学校(同)など。「ケナフは在来種ということを心配する人もいるが、きちんとわかった上で育てれば様々な活用方法がある。土壌改良を行うため、将来的には産廃の土壌に植えたい」と話す。
自由に考えて「ものづくり」できるキットを
 県内外のものづくりイベントや熊大技術科が関係しているものづくり教室には必ず参加しているEMS環境推進室。熊本大学の田口准教授は「学生の卒論の教材研究を一緒にするなどものづくりについてのアイデアを競い合っています。単に環境教育ではなくて、ものづくりと絡めることがおもしろいところで、私たちの子供たちに教えるノウハウとEMS環境推進室の技術と材料とをうまく絡み合った結果だと思います。材料と技術がなかったらこのような作品は出来てないし、EMS環境推進室も材料を有効活用できなかったでしょう」と話す。現在、8月に行われるものづくりフェアに向け円形木琴のものづくりを試作中で、EMS環境推進室がキット化をしている。環境教育の一環としてこれからも子供たちが考えて自由にものづくりできるキットを考えていくというEMS環境推進室。同室が中心となって7月には物の大切さや環境保全の大切さをみんなで学習、共有するため阿蘇市波野で「全国ものづくり塾熊本大会」の開催を予定している。
企業DATA
[所在地] 〒860-0017 熊本市練兵町45番地 早野ビル3階3号 (熊本県インキュベーション施設「夢プラザ21」OB)
[TEL] 096-325-0193
[FAX] 096-325-0193
[事業内容] 廃棄物無害化処理に伴う情報収集処理後の二次製品開発・屋上緑化・室内緑化・透水性製品特殊陶器の開発、その他二次製品開発事業
[代表者] 原嶋 友子 代表

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2007年7月1日発行分の掲載内容です。