トップ Companies くまもと経済EX 2008 会社設立40周年 節目迎え店舗数100店を突破
くまもと経済EX 2008

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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製造・農業
会社設立40周年 節目迎え店舗数100店を突破
潟qライ
県内食産業のリーディングカンパニー
熊本・福岡・大分・佐賀・鹿児島で約100店舗を展開している
 今年5月、創立40周年の節目を迎えた潟qライ(熊本市春日7丁目、平井浩一郎社長)。平井社長は「時代の変化に対応しながら事業を展開してきた。これからも、お客さまを喜ばせる、社員を幸せにするための企業経営を行いたい」と話す。
 1968(昭和43)年の設立以来、車社会の到来をいち早く見越した郊外型店舗の展開、当時画期的だった24時間営業の開始など、時代に先駆けた事業展開を進めてきた。2001(平成13)年には、売上高が100億円を突破。従業員数は1700人を超え、名実ともに熊本の食産業のリーディングカンパニーとなっている。


平井浩一郎社長
ひらい・こういちろう/1956(昭和31)年5月29日生まれ、52歳。熊本市九品寺出身、日本大学経済学部卒。ロイヤル、カネ美食品勤務を経て、82年同社入社、98年5月から現職。趣味は読書、絵画
拡大する“中食”市場
 食のマーケットが縮小傾向にある中、「外食と家庭で料理する食事の中間に位置し、出来上がったものを持ち帰って食べる」という中食産業は、働く女性の増加や単身世帯の増加などを背景に、急速に市場を拡大している。「時代が変わっても、人間が生きていく上での生活、つまり、食事をして睡眠をとらなければいけないことは変わることがない。“家庭での調理”をアウトソーシングする時代がやってきた」と話す平井社長。同社は、日本の伝統的な食文化を守りつつ、“HMR(Home Meal Replacement・家庭内の食事を代行する)企業”として、新たな食生活の時代を切り開いている。
年内にも100店舗体制へ
ヒライ立野店。オリジナルメニユーなど立地条件に
九州産の食材30品目以上を使った「薬膳弁当」
 現在の店舗数は96店舗。今年度に入り、鹿児島に初出店(大口市)したほか、大分・中津市にも出店。他にも年度内に7店の新規出店を予定しており、順調に行けば年内にも初の100店舗体制が構築されることになる。また、近年、旧型店舗のリニューアルにも積極的に取り組んでいる同社では、今年度、新たに7店舗をリニューアル予定。更なる顧客満足の追求を図っている。
都市型店舗の開発進める
 平井社長は「従来の郊外・ロードサイド型店舗の新規出店、リニューアルと並行して、小型の都市型店舗の開発も進めている。年内には、より小さな商圏に絞った、新しいタイプの小型店舗のフォーマットを作り上げたい」と話す。
 昨年、熊本市水前寺1丁目にオープンした新業態のバイキング惣菜・できたて弁当の持ち帰り専門店「まんま・家」は都市型店舗の実験店。「食べて健康、食べて元気」をコンセプトに、現在3店舗を展開中の「元気ダイニング」でのノウハウをいかし、より小さな商圏をターゲットにした店舗開発を進めている。「熊本・福岡の中心部、商業集積地などで小型店の出店を加速したい。新たな都市型店舗で100店舗の展開が目標」(平井社長)と意欲的に取り組んでいる。
観光地で特徴的な店づくリ
 観光地に立地する店舗では、地域特性に合わせた店づくりも行っている。上天草市大矢野町の大矢野店では、リニューアルに合わせ、店内に焼きたてちくわの製造直売を行う「ちくわ工房」をオープン。製造ラインをガラス張りにし、見学可能にしているほか、土産品コーナーを拡充し「海の駅・サザンどりーむファクトリー」として営業を行っている。
 また、阿蘇郡南阿蘇村の立野店では、外観を山小屋のロッジ風にしているほか、イートインコーナーでも定食を強化。たかなめし、だご汁などのオリジナルメニューを提供している。両店舗ともリニューアル以降、家族連れなど観先客の来店が大幅に増加しているという。
食育意識し「薬膳弁当」
 「食」に携わる同社にとって“食育”も大きなテーマ。平井社長は「地元の食材を使った、手づくりの温かさやおいしさにこだわった弁当作りを目指したい」と話す。
 このほど発売した「薬膳弁当」は、そのコンセプトで作られた新商品。薬膳(中国医学の理論をもとに、気候・風土、季節に応じた食材やその人に合った食材を選んで作った食事)の考え方を取り入れ、九州産の食材を30品目以上使い、1食700kcal以下でカロリー控えめ、9gの食物繊維をとることができるという。また、中央に配している絵皿には、メニューや季節に合わせた伊万里焼を使用するなどこだわった弁当に仕上かっており、ビジネスマンのランチ会議用や、ヘルシー志向の女性の集まりなどで好評だ。
身近な商品・店舗づくリ
 「地元で仕人れた素材をきちんと調理して、出来るだけ手ごろな価格でお客さまに提供する、という当たり前のことをしっかりと行っていきたい。それが我々の使命だと考えている」と語る平井社長。積極的な店舗展開で、グループ売上300億円、マーケットシェア30%という大きな目標を掲げている。「企業体質を強化しながら、お客さまに当社をもっと身近に感じていただける商品づくり、店づくりを進めたい」と抱負を述べた。
企業DATA
[所在地] 〒860-0047 熊本市春日7-26-70 (福岡工場)福岡県筑後市長浜718
[TEL] 096-324-3666 (福岡工場)0942-51-1100
[FAX] 096-326-4115 (福岡工場)0942-52-6663
[資本金] 2億7330万円
[設立] 1968(昭和43)年5月
[事業内容] 弁当・惣菜・サンドイッチ・おにぎり・寿司の製造及び直売
[年商] 約113億円(08年3月期)(売上高)
[代表者] 平井浩一郎社長
[従業員] 1700人
[URL] http://www.hirai-wa.com
[関連企業] どんどんライス(熊本市・福岡県筑後市)、ワイドリサーチ(熊本市)、ヒライパッケージ(熊本市)、サン・トップ運輸(熊本市・福岡県筑後市)

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※この記事内容は、くまもと経済EX:2008年7月1日発行分の掲載内容です。