トップ Companies くまもと経済EX 2008 自治体向けシステムを全国展開業界のパイオニアとして成長続ける
くまもと経済EX 2008

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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情報通信・ICT関連
自治体向けシステムを全国展開業界のパイオニアとして成長続ける
鰍qKKコンピューターサービス、崖KKCSソフト
自社開発システムを全国展開
 主力の自治体向けシステムが引き続き好調を維持している。今年3月期決算では、前年比34.7%増の91億2800万円と過去最高の売上高を計上した。竹村社長は「熊本を拠点にしながら、自社開発システムの全国展開を加速させる」と意欲を話す。

野田照幸会長
のだ・てるゆき/1935(昭和10)年1月10日生まれ73歳。荒尾市出身、熊本大学理学部卒。59年熊本放送入社、66年RKKコンピューターサービスに出向。86年取締役、89年常務取締役、95年5月社長、06年10月会長就任。熊本県情報サービス産業協会会長
30都道府県156市町村から受注
 同社が開発した「新総合行政情報システム」は、特定のメーカーに縛られず、低コストで自由に対応ができるオープンなシステムを採用しているのが最大の特徴。市町村合併によるシステム更新により販路を拡大してきたが、システムの優位性が自然に広まる形で全国からの引き合いが増え、現在、30都道府県156市町村で同社システムが活用されている。以前は比較的小規模な自治体がメインだったが、近年は北九州市、佐世保市、山口市など中規模以上の自治体からの受注が増加するなど、新たな自治体ユーザーを開拓している。
 竹村社長は「開発のノウハウも蓄積され、システムの性能が向上。納得できる導入費用やランニングコスト、運用面でのサポート、使い勝手の良さなどが高評価に繋がっている。行財政改革が進む中、これまで、大型汎用機での行政システムを使ってきた自治体にも一からシステムを見直し、より効率的なシステムの構築を目指そうとする動きが出てきた。合併をしなかった自治体でも、効率化の観点からシステム再構築の需要が生まれている」と分析する。新たな需要を確実に取り込みながら、九州・熊本を中心にしながらも営業エリアは関東・関西・中部へとさらに拡大している。自治体の効率化を求める流れを追い風に、同システムの普及と安定稼動に注力する方針だ。

竹村正章社長
たけむら・まさあき/1943(昭和18)年2月1日生まれ、65歳。福岡市南区出身、九州大学経済学部卒。67年九州電力鞄社、98年7月同企画部部長(調査担当)、01年6月九電情報サービス且謦役経営企画室長、04年4月九電ビジネスソリューションズ且謦役経営管理本部長、05年6月同常務、06年10月から崖KKコンピューターサービス専務、07年5月社長就任
情報サービス産業のパイオニア
 1966(昭和41)年12月、熊本で最初の情報サービス業として創業した同社は、熊本におけるパイオニア企業として、業界をリードし続けている。受託計算を中心にした事業展開から、86(昭和61)年に初めて自社ソフトの開発に着手。自治体向けシステムと金融機関向けシステムを2本柱に事業を拡大してきた。
 昨年5月には、九州電力グループの九電ビジネスソリューションズ(福岡市中央区、鎮西正直社長)と業務・資本提携。相互の人財交流などにより競争力の向上、業務効率化を図りながら、九電グループの総合力をいかした営業展開により、更なる販路拡大を目指している。
TMS浸透させ顧客満足追及
 「販路拡大とともに、システムをご利用頂き、当社を育てていただいたお客さまの満足度向上に注力したい」と話す竹村社長。システムの品質向上を目的に、TMS(統合管理システム)の浸透を図っている。TMSは@品質(QMS・ISO9001)、A環境(EMS・ISO14001)、B情報セキュリティ(ISMS・ISO27001)の各マネジメントシステムを統合的に管理するためのシステム。TMSの継続的な推進・改善を通して、各々の規格を有機的に統合した高品質な商品づくりを行っている。
開発・製造部門のコア人材を育成
 また、開発力と技術力の強化、地元雇用への貢献を意識し、プログラム製造業務に特化した100%出資子会社・崖KKCSソフト(熊本市九品寺2丁目、竹村正章社長)を設立。今年4月に新人社員15人を迎え、新たな事業のスタートを切った。
 同社では、自治体向けソフトのプログラミングを主業務に、プログラム製造業務のノウハウを蓄積。最新技術を習得した人員の確保と育成を目指す。毎年の定期採用で、5年後をめどに、50〜60人規模のプログラマー集団に育てる方針だ。
フィールドは全国 高品質なソフトを発信
熊本市九品寺1丁目の本社。一昨年新築した別館(写真右)に開発拠点を集約している
同社はコミュニケーション向上のため、お客様や各事業所とを結んだテレビ会議による打合せをスタートした
 同社では、今年から3年間の中期計画で人財の増員・強化を計画、高品質ソフト提供を通じたお客様満足度の向上と社員満足度向上の両立を目指している。20年前、受託業務中心からソフトの自社開発への大方針転換を成功させ、事業は拡大。フィールドは全国に広がった。「企業ブランドを高め、コミュニケーション能力に優れたバランスの取れた人財を育成し、品質のさらなる向上を図りながら、事業推進を行いたい」と語る竹村社長。「熊本で評価されたシステムが全国で評価されないはずがない」という野田会長の信念の下、品質の高いソフトウェアを熊本から全国に発信し続ける。
企業DATA
[所在地] 〒862-0976熊本市九品寺1-5-11 崖KKCSソフト 〒862-0976熊本市九品寺2-1-24
[TEL] 096-364-5121                          096-364-5135
[FAX] 096-371-6680                          096-375-1177
[資本金] 1億円                              1000万円
[設立] 1966(昭和41)年7月
[事業内容] 情報サービス業
[年商] 約91億2800万円(08年3月期)(売上高)
[代表者] 竹村正章社長
[従業員] 379人                                17人
[URL] http://www.rkkcs.co.jp/
[出先] 福岡、佐賀、長崎、愛媛、東京、大阪

[採用情報]
現在、登録がありません。
※この記事内容は、くまもと経済EX:2008年7月1日発行分の掲載内容です。