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脳卒中診療への取り組み
23診療科を標榜する総合病院
医療法人朝日野会 朝日野総合病院
 近年、わが国では、高齢化社会が問題視されていますが、高齢で寝たきりになられている方々の内、約7割は脳卒中が原因と言われています。朝日野総合病院では、23診療科を標榜し、総合的な診療を行っております。今回はその中でも、多くの方が関心をお持ちの脳卒中に対する当院の対応をご紹介致します。
脳卒中等の急性期診療
 当院では脳卒中診療科(内科)と脳神経外科ならびに放射線科で、脳梗塞や脳出血などを診療致しております。
 脳卒中のほぼ7割が脳梗塞ですが、一口に脳梗塞といっても、脳の中で血管が細くなり詰まる脳動脈硬化型の「脳血栓」と、心臓や他の血管から血の塊(血栓)が脳動脈に飛んできて詰まる「脳塞栓」がありますし、さらに細かく分類されています。これらを脳梗塞の“病型(タイプ)”と言います。実際の急性期脳梗塞の診療では、「病型診断」がとても大事です。なぜなら、治療法や使用する薬剤が異なるからです。
 さて、脳梗塞は、高血圧、糖尿病、高脂血症、心疾患、肥満、喫煙などが
原因(=危険因子)となり発症する“生活習慣病”であり“動脈硬化性疾患”です。脳梗塞を発症する、ということは、全身の動脈硬化も進行していると考えられます。心臓や腎臓、その他の臓器や血管も痛んでいる場合が
多いのです。脳梗塞の急性期の治療は、脳だけでなく全身状態の把握と、合併症の予防ならびに治療も重要になります。
 脳梗塞発症後は、可能な限り早期からリハビリテーションを開始することが、実生活に復帰できる重要なポイントとなります。
 わが国では脳卒中の治療指針として、救急担当病院に2週間ほど入院、そしてリハビリテーション病院へ転院、という“分業化パターン”を推奨しています。これは合理的で間違いではないのですが、時に大事なことが抜けることがあります。それは、“全身の精査”です。脳卒中年齢は、癌年齢と重なります。脳梗塞の予防薬というのは「血液をサラサラにする薬」すなわち「血が止まり難くなる薬」です。全身を精査することなくこの薬を飲み続けることは、非常に危険です。
 当院では、他病院よりの転入患者様も併せて急性期から亜急性期の治療を一般病棟で行い、病状が安定した後、全身の評価を行い、回復期リハビリテーション病棟でリハビリテーションを実施する、という手順を踏んでいます。総合病院ゆえに、全科にコンサルトできるという利点を活かしております。
回復期リハビリテーション病棟の開設
 当院では、以前より脳卒中後のリハビリテーションに力を注いでおりましたが、病棟への専門性を持たせるべく、今年6月1日より回復期リハビリテーション病棟(51床)を開設致しました。この病棟では疾患に応じた医師数名及び理学療法士と作業療法士を専従とし、看護師と共に患者様個々の状態に対応しながらリハビリテーションを行い、日常生活動作の改善に努めております。
 訓練室は総合リハビリテーション施設認定〔脳血管疾患等(T)、運動
器(T)、呼吸器(T)言語聴覚(T)〕で、現在、理学療法士、作業療法士、言
語聴覚士、リハ助手及び医療ソーシャルワーカーなど30数名で構成され、一人の患者様に複数の担当がつき、集中的にリハビリテーションが行える体制を整えています。
 また、当院は、急性期から慢性期へ繋ぐ、一貫した病棟も備えております。
健診センターと脳卒中の発症予防
 平成16年3月に長嶋元巨人軍監督が脳梗塞に倒れてからというもの、「自分も同じ病気にならないだろうか?」と心配される方が多いようです。健康には気を遣われていたであろう長嶋氏が、なぜ脳梗塞になったのでしょうか。前述しました様に、脳卒中には色々なタイプがあります。脳卒中の危険因子をいくつ持っているか、どの組み合わせか、で発症しうる脳卒中が大体予測できます。
 当院の健診センター長(脳卒中診療科医)は、脳卒中の危険因子についての研究を続けており、脳卒中にならないか心配な方、過去に脳梗塞になったが、どのタイプの脳梗塞か分からない方、脳梗塞の予防薬を服用しているが再発が心配な方などは、お気軽にご相談にお越しください。
企業DATA
[所在地] 〒861-8072 熊本市室園町12-10
[TEL] 096-344-300
[FAX] 096-343-7570
[代表者] 前川 清継院長

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2006年7月1日発行分の掲載内容です。