トップ Companies くまもと経済EX 2008 創業60周年、3代目世代に 受け継がれる伝統と新時代への挑戦
くまもと経済EX 2008

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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金融・保険・卸・流通・小売
創業60周年、3代目世代に 受け継がれる伝統と新時代への挑戦
鞄。本物産
消費者ニーズ追及の結果
若い世代も会社を牽引。左から藤本高史部長、藤本泰弘常務、藤本尚之部長
 熊本の台所、通称田崎市場に本社を構え、独自のネットワークとノウハウを通じて青果物の生産から販売までをトータルコーディネートする鞄。本物産。現在は従業員180人を抱え、グループ会社3社で売上げ100億を超える企業に成長しているが、その歴史は、60年前に「藤本商店」という屋号のくだもの屋から始まった。
 創業から5年後に「果実類卸藤本商店」を開設。62年に鞄。本果実を設立しバナナの着色事業に参入。64年に現在の地に移転し、80年に鞄。本物産に社名を変更した。その後は、企業の吸収合併や新規事業参入など、着実に成長を遂げてきた。常に「時代と共に変化する消費者の多様なニーズにいかに答えていくか」を追求し続け、5年後にはグループ売上げ150億円を目指す。
グループネットワークの確立
 こうした流れの中、組織作りやハード面の充実にも余念がない。01年に産地直結の部門として泣tレッシュダイレクトを設立。農業生産法人を立ち上げ、生産者と連携しながら消費者が求める農産物を形にしている。また、02年には物流部門とパックセンター部門を統合し泣Pイ・エフ物流とし物流部門を一本化。業務を効率化し、青果物を高い鮮度に保ちながら消費者、販売店に提供するシステムを確立した。
 最近では、04年に本社向かいに業務用カット野菜を提供するためのフレッシュセンターを設立。野菜の洗浄に電解氷を利用するなどハイレベルな衛生環境を整える。外食産業をはじめ、学校や病院給食などからの野菜の種類や大きさ、量などあらゆるニーズに応えている。また、高い提案力を生かし、鍋や焼肉用など一般家庭向けの商品開発にも取り組み好評を得るなど、青果業界に新たな風を送り込んでいる。
 さらに昨年は安心安全で高品質な熊本産野菜の確保、供給などを目的に鞄阿蘇有機の会をグループ企業に取り込んだ。
 同社は熊本の恵まれた農業環境に着目し、西原村や山都町、御船町などの生産農家約50件と直接契約。産直の野菜の供給体制を整えている。阿蘇郡西原村に事務所を置く同社は、潟tレッシュダイレクトの八代事業所とともに県内の新たな拠点として役割を担っている。
 また、直営店(フレッシュフーズ)も充実しており、熊本交通センターやくまもと阪神などの中心部をはじめ、サンリブのくまなん、清水、武蔵ヶ丘など県内10店舗を運営している。
 このように、60年の歩みを通して、生産から卸、加工、流通、販売に至る一連の流れを一貫して行える体制を整えた。
リニューアルオープンしたサンリブ熊南店の店鋪
九州中央支店「セントラルロジスティクスセンター」完成 九州全域を視野に稼働開始
佐賀県鳥栖市に完成した九州中央支店「セントラルロジスティクスセンター」。九州展開の拠点となる
藤本健介社長
 60周年の節目の年に、もう一つ同社の新たな拠点が誕生した。昨年鳥栖市と進出協定を交わし建設を進めていた九州中央支店「セントラルロジスティクスセンター」が今年の7月に完成。同社の新たなフロンティア開拓の拠点として操業を開始する。
 場所は鳥栖インターチェンジ南東側にある工業団地「グリーン・ロジスティクス・パーク鳥栖」内と好立地。九州圏内を視野に物流のレスポンスを高めることができる。建物の概要は、約6700uの敷地に、約2200uの一部2階建ての建物。延べ 床面積約2500uで、1階部分には1室あたり1728ケース加工できるバナナ室10基や冷蔵庫3基ヽ加工室2部屋などを設置している。また2階部分には休憩室や会議室のほか、現在福岡市東区にある福岡営業所を移転する。当面はバナナや輸人果物の加工・物流を主業務に稼働するが、将来は九州全域から青果物を集荷・配送できる能力を備えており、同社の次の展開へ大きな足がかりとなることは開違いない。
 昨年から今年に掛けて組織をさらに充実。藤本会長の長男で、30代の藤本泰弘部長が常務に昇格するなど若い世代の成長と牽引力にも重きを置く同社。同時に長年の経験を持つベテラン社員との力を融合したマンパワーと戦略的に整備された各拠点のネットワークが歯車となり、次の10年へ向け確実に歩を進めていく。
企業DATA
[所在地] 〒860-0058熊本市田崎町414-12
[TEL] 096-354-1335
[FAX] 096-353-6452
[資本金] 3,600万円
[設立] 1962年6月
[事業内容] 青果物のトータルコーディネート1.青果物の仲卸,及び直営販売2.生産地より直接仕入れ・販売3.輸入青果物の卸4.バナナの着色加工5.ドライフルーツ類の卸6.青果物の加工業務
[年商] 売上高:116億7千万円(08年度グルーブ計)
[代表者] 藤本健介社長
[従業員] 280人(グループ計)
[URL] http://www.fjmt.co.jp
[出先] 直営店:熊本交通センター サンリブくまなん店 くまもと阪神 マルショク薄場 マルショク芦北 サンリブ子飼 サンリブ清水 マルショク泗水 サンリブ武蔵ヶ丘 熊本生鮮市場みずき台 支店:九州中央支店
[関連企業] ケイ・エフ物流、フレッシュダイレクト、南阿蘇有機の会

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※この記事内容は、くまもと経済EX:2008年7月1日発行分の掲載内容です。