トップ Companies くまもと経済EX 2008 “実学”と高度専門教育の確立に 進化続ける文系総合大学
くまもと経済EX 2008

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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医療・医療関連・教育
“実学”と高度専門教育の確立に 進化続ける文系総合大学
熊本学園大学
常に時代を見据えた教育環境を構築
 熊本学園大学の歴史は、1942年の東洋語学専門学校の同学に遡る。45年に熊本語学専門学校に改称後、50年の熊本短期大学設立を経て、54年に熊本商科大学を設立。94年には熊本商科大学と熊本短期大学を統合し、熊本学園大学と名称を変更、現在に至っている。
 この間、時代の変化やニーズに対応した新たな学部学科や大学院研究科の創設により教育体制を整備してきた。(2008年5月1日現在大学:6学部13学科大学院:5研究科)3年前からはさらに魅力ある学園をめざし、「クオリティ」「ホスピタリティ」「現場力」をキーワードに、新たな伝統と価値を創造する「熊本学園大学ルネッサンス」が推進されている。09年3月には商学部ホスピタリティ・マネジメント学科(卒業予定数94名)、さらに10年3月には経済学部リーガルエコノミクス学科(103名)および社会福祉学部子ども家庭福祉学科(102名)の第一期卒業生が誕生する。
 教育の現場では常に各学部の専門性をふまえ「社会性を育みながら学ぶ」という実学ベースの教育を実践してきた。そのうえで学生のキャリアアップや就職を意識し、就職部によるさまざまな就職支援、エクステンションセンターによる各種就職支援や資格取得講座の開設など、学生が「現場力を養う」ためのバックアップ体制も十二分に整えられている。

坂本正 学長
さかもと・ただし 1948年2月岡山県生まれ。九州大学大学院修了。経済学博士。専門分野は金融制度論。海外事情研究所長、商学部長、熊本学園理事などを経て2002年8月に第10代学長に就任。08年8月1日より三期目。北京大学中国金融研究センター顧問。
整備されたキャンパスから地域へ知的貢献
07年3月、正門南側に完成した14号館(60周年記念会館)は、海老原喜之助のモザイク壁画「蝶」とともに大学の新しい顔となっている。
 これらの教育、学習が充実したキャンパスの施設設備により、さらに効果をあげるものになっているのはいうまでもない。07年3月、正門南側に完成した14号館(60周年記念会館)は、1階の高橋守雄記念ホールをはじめ、就職課、エクステンションセンター、高度学術研究支援センター、e−キャンパスセンター、大学院などが配置されており、海老原喜之助のモザイク壁画「蝶」とともに大学の新しい顔となっている。晴れた目には遠く阿蘇の連山を眺めることができる大江キャンパスは、レンガ色の建物と銀杏や楠の大本が四季を通じて「大学らしい大学」の情景を醸しだしている。また、分煙やゴミの分別の徹底、風力発電や図書館屋上緑化実験などエコキャンパスが推進されるとともに、より快適なキャンパス空間づくりがさらに進められている。
 66年の歴史は8万人余の卒業生を送り出し、今日まで「自由闊達」「師弟同行」「全学一家」の建学の精神は脈々と受け継がれ、明るく伸びやかな学生気質に代表される自由で活発な学風が培われてきた。
 一方、地域とともに歩みを重ねるなかで、時代を見据えた教育と研究はさまざまな分野で貢献している。市民公開講座や3研究所(産業経営・海外事情・社会福祉)の学術交流などを通じて蓄積された研究成果や集積する頭脳を還元するだけでなく、地域が抱える問題に積極的に取り組み、大学としての役割を発揮している。近年では水俣学研究センター(センター長:原田正純社会福祉学部教授)の開設(05年4月)や熊本市ひとり親家庭児童訪問援助事業との連携協定(07年4月)などがさらに新たな動きをみせている。
アカウンティングスクール 創設で厚み増す専門教育
 現在、大学院では国際標準となる博士後期課程をすべての研究科に配置し、各分野におけるトップクラスの教授陣を揃えているが、グローバル化にともなう社会構造の変化のなかで、さらに高度な専門性が求められる職業を担う人材が急速に求められている。
 これら社会のニーズに対応して、09年4月、九州では初の会計専門職大学院「会計専門職研究科アカウンティング専攻」が新設される(開設予定・認可申請中)。高度専門職業人としてコアとなる会計・税務の専門知識とスキルを修得し、職業倫理に基づく論理的な判断力を備えたうえで、公認会計士や税理士、企業や非営利組織、自治体等における会計業務や監査業務および税務において指導的な役割を発揮できる“高度職業会計人”の養成をめざす。
 さらに、既存の商学研究科と経営学研究科を一本化し、商学研究科のなかに「商学専攻」と「経営学専攻」を擁する新しい体制に生まれ変わる('09年4月開設予定・認可申請中)。これまでファイナンス、会計、マネジメント、情報などの分野でふたつの研究科に分かれていたスタッフがひとつの研究科にまとまり、マーケティング、マネジメント、ファイナンスを中心にさらに体系的で幅広い教育が可能となる。新商学研究科では、ビジネススキル科目の新設や産学連携、学部教育との連携強化を図りたいとしている。
企業DATA
[設立] 1954年 熊本商科大学設立
[従業員] (学生数)学部7,018人 大学院167人(卒業生数)81,625人(専任教員数)164人(専任職員数)139人
[URL] http://www.kumagaku.ac.jp

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※この記事内容は、くまもと経済EX:2008年7月1日発行分の掲載内容です。