トップ Companies くまもと経済EX 2008 読影事業で地域の “ドクターズ・ドクター”を実践
くまもと経済EX 2008

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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医療・医療関連・教育
読影事業で地域の “ドクターズ・ドクター”を実践
潟純Cズ・リーディング
県内法人初の遠隔画像診断事業
PCやシャウカステン(医療用電光掲示板)などの読影環境が整った本社事務所
 医療の現場で使用されるCTやMRIなどの画像を読み解き、診断する読影(どくえい)。読影には蓄積された専門知識と経験が必要とされ、通常は放射線科医ら専門医が担当する。近年、撮影機器の設置台数は増加傾向にあり、その反面で専門医の不足が迅速な医療の妨げになっているとも言われている。熊本市飛田3丁目の潟純Cズ・リーディングは07年7月、県内法人では初めて医療画像の読影サービスを始めた。遠隔地で撮影された画像をネットワークを使い受信するシステムで、すでに県内約10ヵ所の医療機関と契約を結んでいる(08年6月現在)。中山社長は「特定の医療機関から独立することで、より広範囲の需要に目を向けることができるようになった」と話している。

中山善晴社長
なかやま・よしはる/熊本市出身、1970年1月27日生まれの38歳。熊本大学大学院医学研究科博士課程修了。95年医師免許取得、2000年放射線科専門医資格取得。同大医学部付属病院、国立療養所再春荘病院、健康保険人吉総合病院などに勤務した。趣味は読書(歴史小説など)とお酒。
独自手法で読影効率向上
同社スタッフ。場所は画像診断センターを開設予定のくまもと大学連携インキュベータ
 通常、1人の専門医が1日にこなす読影の件数は40〜50件と言われている。これに対し同社では独自の読影体制を構築し、1日の読影件数を平均で80件まで引き上げることに成功している。専門の人材を確保するなど、勤務医では難しい法人ならではの手法が医療の迅速化につながっている。「医師の負担を軽減することで、地域医療の質を向上させたい」と話す中山社長。県内医療機関で放射線科専門医として13年間務め、07年には日本医学放射線学会で優秀論文賞を受賞したなど数々の経験を持っている。
南熊本3丁目に画像診断センター開設
 同社は9月、南熊本3丁目のくまもと大学連携インキュベータ内に「熊本大学放射線医学教室連携画像診断センター(仮称)」を開設する。スタッフは放射線科医を常勤で1人と、熊本大学から放射線科医3人を非常勤として招く計画。このほか熊本機能病院(同市山室6丁目)の画像診断センターを始め、県内各所で画像診断施設の開設コンサルティングも手掛けている。
 放射線科医は患者の全身を診ることができ、ほかの医師から意見を求められる場合も多いことから“ドクターズ・ドクター”とも呼ばれる。医療機関に対する助力を事業とした同社は、まさに地域の“ドクターズ・ドクター”と言える。
企業DATA
[所在地] 〒861-5514熊本市飛田3-10-21
[TEL] 096-342-7878
[FAX] 096-344-0202
[資本金] 200万円
[設立] 2007年7月
[事業内容] 遠隔画像診断サービス、画像診断コンサルティング、画像診断セカンドオピニオンサービス、CT・MRI撮影技術指導
[従業員] 4人
[E-Mail] yosiharu156@lily.ocn.ne.jp

[採用情報]
現在、登録がありません。
※この記事内容は、くまもと経済EX:2008年7月1日発行分の掲載内容です。