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くまもと経済EX 2009

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『横場流・意識改革』に臨む挑戦者たち 夢の大型設備3点セット完成!
横場工業
右手を語れば左手も語る
SS製品からSUS製品まで『大型製品一貫生産工場』。@大型製品が直接船積みできる『専用岸壁』、A大型ステンレス製品洗浄設備、B大型製品ショットブラスト設備の3点セットがそろった新生横場工業誕生!!
ショットブラスト工場完成記念で。江崎拓茂社長、坂田孝志八代市長、石内義夫会長(写真右から2〜4番目)
 「無理が通れば道理が引っ込む」ということわざがある。道理に反することが世の中でまかり通れば、道理にかなわないというものだ。例えば、人類の発展の代償として自然破壊を招いた。両方にとってうまくいく術を講じていなかったからである。石内義夫・横場工業渇長の実学は『右手を語れば左手も語る』。物事を片方からだけ捉えるのは、すなわち「片手落ち」。人が感謝する時などに両手を合わせるように、両方から物事を捉えることが重要だという。石内会長は、このことを企業経営にも結び付け実践するバランス感覚に優れた人物だといえる。江崎拓茂・同社長をはじめ、政客やさまざまな人から師事される理由の1つである。
 不況下に生き残り、創業者・横場一馬初代社長が命がけで創り上げた横場工業を維持継承するため、石内会長と江崎社長は、右手(設備投資などハード面)と左手(人財育成などソフト面)を語りながら、両手(横場・全社員の発展と扇子状の組織づくり)を合わせ、感謝(縁のある人々や地域へ)することを目標とする。
特異性・差別化を図る設備投資
  同社はこの不況下に関らず、次々に設備投資を行っている。今年3月には、本社敷地内北側に総事業費4億円をかけ「ショットブラスト工場」を建設した。同社が製造する大型製品表面の汚れや酸化膜などを鉄粉で除去し、鋼材の下地を露出させ塗装することで、防錆効果の向上が得られる。昨年は、環境に配慮した「酸洗浄廃水浄化処理装置」を導入、同市敷川内町の国道3号沿いには「第2設計事務所」を開設した。これで、専用岸壁、大型ステンレス製品洗浄設備、大型ショットブラスト設備という“夢”の大型設備3点セットがそろった。
 今後は、中長期計画として本社近隣に第2工場、鹿児島県に鹿児島工場を展開する予定で、それぞれ土地購入なども着々と進んでいるようだ。
 横場初代社長が残した「専用岸壁」に加え、町工場レベルで所有するのは稀な設備群と高度な技術力で、全国各地に事業を展開していく。
“人間力”を高める鹿児島・世界一温泉研修
 同社では鹿児島川内市にある世界一温泉に通い、仕事などに取り組む姿勢や礼儀作法など“人間力”を高める社員研修を行っている。江崎社長は研修の意味を『閾値』という言葉(佐藤泰生・熊本大学、八代高専名誉教授の教育資料から)で表現する。「初めての登山をイメージしてみる。出発後しばらくは単純な徒歩が続くが、やがて険しい山道を登ることになる。徐々に体が辛くなり、山を登ることに疑問を感じ出す。だが、それに耐えて歩き進む内に、突然視界の開けた地点にたどり着く。遠くに見えていた山の頂が近くに見えて、近くに見えていた出発点が遠くに見える。この地点が登山での『閾値』であり、この『努力の習性』は若い時に身に付けておくべき“力”である。それには『閾値を越える経験』が不可欠なのだ」。
 社員研修に通えば通うほど見えてくる景色がある。軽く考えることなく、あらゆる角度から一生懸命考えて登れば必ず新しい道が拓く。これが、石内会長が説く自然の法則。『1+1=2』にしかならないということ。これが、『横場流・意識改革(人財育成)』の原点なのである。
自然を愛する子供を育てる
 同社はショットブラスト工場完成式典で、八代市に100万円を寄付した。これは、自然を愛する子供の育成を願ってのもの。それを受け、同市と同市教育委員会は感謝状を贈呈。さらに、八代小学校でプランターの贈呈式と小学生を対象に石内会長の講演会を開いた。「自然を愛することができるのは心が豊かな証拠。人は一人では生きていけない。皆が心豊かにお互いを思いやり、支えあって生きていくということ。“心豊かな人生は幸せである”ということを実感できる子供に育ってほしい。また、当社では日本一の工場内庭園を拡大している。ぜひ、訪れて自然の銘石などを見て触れてほしい」と石内会長は笑顔で語った。
企業DATA
[所在地] 〒866-0034 八代市新港町1-6
[TEL] 0965-31-3200
[FAX] 0965-31-0332
[資本金] 2520万円
[設立] 1943(昭和18)年4月
[事業内容] 一般産業プラント、設計、製作、据付(各種サイロ、タンク、搬送・環境設備など)省力化機器、企画・設計、製作(自動機、ロボットなど)
[従業員] 200人
[URL] http://www3.ocn.ne.jp/~yokoba/
[出先] 興人出張所:〒866-0881 八代市興国町1-1 日本製紙出張所:〒866-0823 八代市十条町1-1

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※この記事内容は、くまもと経済EX:2009年7月1日発行分の掲載内容です。