熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

情報通信・ICT関連

熊本市で次世代ネットワーク（ＮＧＮ）のサービスを開始

NTT西日本熊本支店

　今年3月に、ＮＴＴ西日本グループは熊本市で次世代ネットワーク（ＮＧＮ）の商用サービスを開始した。このＮＧＮは、従来の電話網が持つ信頼性や安定性と、インターネットの持つ利便性・経済性という両者の長所を併せ持つ光によるフルＩＰの通信情報ネットワークで、新たな社会基盤となっていくと見られている。このＮＧＮを用いたサービスの一つが、信頼性に優れ、高音質なＩＰ電話や高画質の映像配信も利用可能な光アクセスサービス「フレッツ光ネクスト」であり、熊本市から順次サービスエリアの拡大を予定している。

中江章三支店長
なかえ・しょうぞう／鹿児島県出身、一橋大学法学部卒の53歳。1980年日本電信電話公社（現ＮＴＴ）入社。2004年からＮＴＴ西日本人事部担当部長（ＮＴＴマーケティングアクト）、06年7月から人事部人事第一部門長などを経て、08年7月から現職。趣味はウォーキングほか

「フレッツ光」熊本県内で１２万回線を突破

　九州・沖縄エリアの光ブロードバンドサービス「フレッツ光」の契約数が、2009年6月に100万回線を突破した。01年１１月にサービス開始した「Ｂフレッツ」を皮切りに提供エリアを拡大してきたもので、約７年半での達成となった。08年6月に80万回線を超えており、わずか1年間で20万回線が増えている。また、熊本エリアでは、08年6月に契約数が10万回線を突破、09年6月時点で１2万3千回線となるなど、順調に拡大している。

ひかり電話やブロードバンド映像サービスなど、利用用途が拡大

　NTT西日本熊本支店（中江章三支店長）では、01年４月に県内で「フレッツ・ADSL」をサービス開始し、高速ブロードバンド需要に呼応して、既設の電話線を利用したＡＤＳＬを超える大容量の通信を可能とする光ファイバーを利用したアクセスサービス「Ｂフレッツ」の提供を02年３月に始めた。さらに、05年7月には光ブロードバンドサービス「フレッツ・光プレミアム」をスタートした。07年5月には、「Bフレッツ」と「フレッツ・光プレミアム」の合計の契約数が7万回線を突破、「フレッツ・ADSL」の契約数（6万9900回線）を初めて上回った。
　こうした契約者急増の要因は、インターネット、ＩＰ電話サービス（ひかり電話）、ブロードバンド映像サービス（ビデオオンデマンド・多チャンネル放送）等が楽しめるなど多彩なアプリケーションをラインナップし、新しい生活シーンを提案してきたことや、同時期に事業所向けにスタートした『ひかり電話オフィスタイプ』が、オフィスの光化と電話のコストダウンを実現し、事業所での光サービスの利用を促進してきたため、新規加入やＡＤＳＬからの切り替えが一層進んだと見ている。加えてセキュリティ機能の標準装備や、利用しやすい料金設定などで、光がより身近な存在になったことが挙げられる。さらには、インターネット接続機能を有した家庭用ゲーム機「Ｗii」（任天堂）や様々な情報家電との接続など、利用、用途の拡大が図られ、パソコンを利用していない顧客からの申し込みも増加している。
　もちろんサービス面の充実だけでなく、ＮＴＴ西日本熊本支店がこれまで取り組んできた「地域密着」の積み重ねが評価され、支持を受けていることも大きな要因といえる。
　本格的な光ブロードバンド時代の到来は、ユーザから高い信頼を寄せられているＮＴＴに対しても、ますます同社の基本的な考え方である「安心」「安全」「信頼」を再確認させている。顧客のニーズに適応したより良いサービスを提供するとともに、安全で災害にも強い設備の構築、提供、保守といった情報通信の『ライフライン』を守っていくという使命がますます重要になってきている。NTTは顧客の信頼に応え、「安心・安全な社会の実現」に向けて取り組んでいる。

地域密着でＩＴ社会の発展に貢献

　熊本支店は、「地域密着」を経営理念に掲げ、地域貢献活動の推進とともに顧客満足度の向上に努めている。展開中の「ウィズ・カスタマー活動」は、「お客様の声を能動的に聴き、お客様とともに歩み、お客様の声を事業発展に活かしていく」もので、お客様志向の企業を目指している。同支店では、地域の窓口となる「地域ふれあい促進室」を立ち上げており、県内各地の祭やイベントに積極的に参加するなど地域貢献活動の展開をスタートさせている。1990年から毎年実施している環境クリーン作戦は、昨年、約700人が参加し、地域活性化支援の一環として実施している桜町ビル前広場での観光・物産発信展は、これまでに65回を超える開催と、多くの自治体の参加を得ている。毎年６月には（社）九州テレコム振興センターとの共催で、光ブロードバントを活用したイベント「わいわいｋｉｄ’ｓ」を開催している。各地の小学校をテレビ会議システムで結び、クイズやゲームでお互いに交流を楽しみながら、遠隔コミュニケーションを体験してもらうなど子供たちへのＩＴへの取り組みも進めている。また小中学生を対象に「わたしのくまもとふれあい作文コンクール」（光ものがたり大賞）を実施、熊本の伝統や歴史、自然の素晴らしさを広く発信する取り組みも行っている。さらに、ITを活用したTV会議の開催などによるCO2削減等の環境保護活動にも力を入れている。
　同支店では、「わたしどもＮＴＴは、地域社会の一員として、地域の皆様とともに発展していく。環境にも考慮した、21世紀のＩＴ時代に向けてさらにネットワークの高度化を進め、“光の国”熊本の実現を目指して、地域社会の発展に貢献していきたい」と地元密着で活力ある熊本づくりに取り組んでいく。

企業DATA

[所在地]　〒860-8519　熊本市桜町3番1号

[TEL]　096-321-3250

[資本金]　3.120億円

[設立]　1999年7月

[事業内容]　音声伝送サービス,データ伝送サービス,専用サービス,電報サービス等

[代表者]　中江章三支店長

[従業員]　1,600人（グループ各社含む）

[URL]　http://www.ntt-west.co.jp/kumamoto/

[採用情報]

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※この記事内容は、くまもと経済ＥＸ：2009年7月1日発行分の掲載内容です。