トップ Companies くまもと経済EX 2009 九州のITインフラを支える総合エンジニアリング企業
くまもと経済EX 2009

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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情報通信・ICT関連
九州のITインフラを支える総合エンジニアリング企業
西部電気工業
 創立から60余年にわたり、信頼の技術力と確かな品質をベースに、九州の情報通信設備建設業界をリードする西部電気工業梶i熊本市坪井2丁目、笠原正昭社長)。同社は、1947(昭和22)年の設立以来、情報通信設備建設関連、ソリューション関連、設備・土木建設関連、環境関連など、時代の変化に即応し、顧客の要望と信頼に応え得る技術と専門知識、営業力で地域社会に密着した活動を展開してきた。1947年7月、福岡市に無線施設の建設保守を目的に設立した同社は、同年熊本市に本社を移転した。以降、業容の拡大とともに九州各県での拠点整備を進め、74年には福岡証券取引所、78年に大阪証券取引所、2001年には東京証券取引所の第1部に上場した。2003年9月には、福岡市に福岡本社ビルが完成し、熊本・福岡2本社体制で事業を推進している。九州トップの「総合エンジニアリング企業」として、進展するIT社会をインフラ整備の面から支えている。

笠原正昭社長
かさはら・まさあき/横浜市出身、1945年1月30日生まれの64歳。慶応義塾大学工学部卒。68年日本電信電話公社(現NTT)入社。福岡本部長、取締役技術部長、NTT西日本常務取締役大阪支店長などを経て2002年6月西部電気工業兜寰ミ長、03年4月社長就任。趣味は囲碁、ウォーキング、ゴルフ
「企業通信事業部」、「環境事業部」、「土木事業部」、「営業推進統括部」の4部体制に
 昨年秋からの景気低迷を受けて、笠原社長は「光ブロードバンドサービス工事の伸び率は、踊り場にさし掛かっている。業界の競争も激化しており、私どももコストダウンにどう対応していくかが、大きなポイントになる」と課題を挙げている。そのため同社では、利益率や生産性の向上を図り、企業体質をさらに強固にするため、社内の体制づくりを急ピッチで進めている。
 開発営業部門の意思決定の迅速化を図るため、4月1日付けで開発営業部門を営業本部と熊本統括本部の2本部制から、「企業通信事業部」、「環境事業部」、「土木事業部」、「営業推進統括部」の4部体制へ組織変更した。また、人材開発部と労働部を統合し、「人事部」を新設した。
 08年には、経営企画部内に「事業開発室」を発足し、新ビジネス創出を進めている。事業の核である情報通信設備工事に加え電気設備や空調衛生設備の設計・施工、下水道工事などの都市インフラ整備・土木工事関連。水処理施設、ごみ処理施設の建設工事やメンテナンス等の環境事業、特に地球的なテーマである環境問題に対応し太陽光発電事業に積極的に取り組むなど同社の事業領域はますます広がりをみせている。
 一方、企業の社会的責任への取り組みを進めるため「CSR推進部」を新設した。さらに、今後成長が見込まれるユーザ系分野において積極的な受注拡大を図るため、昨年10月には「ユーザ部」を新設して営業力の強化に取り組んでいる。
 また、団塊の世代の大量退職に伴う施工技術の伝承が重要課題の一つであるため、その対応策として08年3月に福岡支社(福岡市博多区榎田1丁目)敷地内に技術センタを建設した。これは実習設備を備えた本格的な研修施設で、熟練社員を中心とした指導の下、新入社員や若い技術者が実際に工事を体験することで、新技術の習得やスキルアップ、OJT教育に活用している。
「安全と品質」をさらに徹底マネジメントシステムへの積極的な取り組み
 「創立の原点に立ち返り、『安全と品質の西部電気工業グループ』に向けた取り組みを積極的に推進していく」(笠原社長)と語るようにソフト面の充実にも力を入れている。同社では、社内整備のため、1999年2月には本社と3支店で品質マネジメントシステムISO9001の認証を取得、2000年2月には登録範囲を全社に拡大した。02年4月には労働安全衛生マネジメントシステム(OHSAS18001)に準拠した社内システムの運用を開始。情報セキュリティ面では、04年11月に第一IT事業部、第二IT事業部でISMSの国際標準規格(BS7799)と国内標準規格(ISMS認証基準・Ver.2.0)を同時取得、05年12月には東京支社でも拡大・取得した。さらに06年11月にはISO27001へ移行した。環境面では、03年2月に移動通信営業部で環境マネジメントシステムISO14001の認証を取得した。05年3月には熊本・福岡両本社などに拡大、06年2月には全社に拡大して取得するなど積極的な取り組みが見られる。
社会の信頼に応える100年企業へ
 NTTが進める次世代ネットワーク(NGN)の商用サービス開始など情報通信業界は大きな転換点を迎えている。笠原社長は「NGNの政令市や県庁所在地などへのエリア拡大に伴う、新たな通信設備工事の需要が見込まれる。また環境事業分野では、太陽光発電が一つの芽として育っており、大いに期待している。私どもグループの基本である『安全と品質』をさらに徹底して、これまで培ってきた技術力と確かな品質をベースに社会から信頼される企業として、お客様の要望と信頼に応えられるための努力を続けていく」と、次の100年に向けて攻めの姿勢で指揮を執る。
企業DATA
[所在地] 〒860-0863 熊本市坪井2丁目1-42
[TEL] 096-344-1111
[資本金] 16億円
[設立] 1947(昭和22)年7月
[事業内容] 情報通信設備の設計・建設・保守、電気・管工事、太陽光発電・環境関連工事、土木工事、ネットワークソリューション等
[年商] 478億500万円(2009年3月期)
[代表者] 笠原正昭代表取締役社長
[従業員] 1,128人
[URL] http://www.seibu-denki.co.jp
[出先] 福岡本社、支社(東京、福岡、長崎、熊本、鹿児島) 支店(大阪・九州・沖縄に8支店)
[関連企業] 西部電設梶A九州通信産業梶A九州電話運輸梶Aひばりネットシステム梶A公栄設備工業梶A兜汢ェ通信工材製作所、九州電機工業梶A叶m和

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※この記事内容は、くまもと経済EX:2009年7月1日発行分の掲載内容です。