トップ Companies くまもと経済EX 2009 正確な業務・スピードのある対応・笑顔の応対で、地域とともに輝く未来を切り拓く
くまもと経済EX 2009

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

■医療・医療関連・教育  ■飲食・サービス 
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金融・保険・卸・流通・小売
正確な業務・スピードのある対応・笑顔の応対で、地域とともに輝く未来を切り拓く
熊本コーヨー
業界が苦戦する中8.8%減の85億3200万円と健闘
 熊本コーヨー梶i熊本市紺屋今町)は業界が苦戦する中、独自の目利きを生かした営業活動で健闘し8.8%減の85億3200万円の売り上げを保っている。
 前年度の全国リース取扱高は、前年同期比1兆円以上(15.3%)減少した。景気の停滞感や公共工事の減少などにより設備投資が落ち込んでおり、特に建設業など建設機械関係の落ち込みが大きいという。
 そのような状況の中、同社のリース・割賦取扱高は0.5%と若干の増加を見せており、古場社長は「業界指標はリースのみ、弊社指標はリース・割賦の取扱高で一概に比較できません」としながらも、健闘の要因を「九州一円からさまざまな情報が入ってきますが、自分たちが目の届く範囲のお客さまを大切にしています。競合による採算性の低下や設備意欲の減退など、経営環境の厳しい折、これだけの減収にとどめられたことは、お客さま、地域の皆さまに支えられた結果であると感謝しています。当社はローカルの規模も大きくないリース会社ですから、すき間を狙った営業をしていきたいと思っています」と語る。

古場正春 社長
こば まさはる/熊本市出身。1947(昭和22)年3月2日生まれ、62歳。熊本商業高校―熊本商科大学(現・熊本学園大学)商学部卒業。65年熊本相互銀行(現・熊本ファミリー銀行)入行。京町台支店長、鹿児島支店長などを経て2000年執行役員花畑営業部長、02年取締役、04年常務取締役、06年代表取締役常務、07年4月鰍モくおかフィナンシャルグループ取締役(同年8月に退任)、同年6月取締役常務執行役員。08年6月から熊本コーヨー椛纒\取締役社長。趣味はゴルフ。座右の銘は「人皆我師」「真実は一つ」。
“目利き”を磨き、全社一丸となって対応
 リース企業と銀行は同じような基準もあるが、県信用保証協会などの保証による取り扱いがないため、銀行とは異なった観点から見る目を持つ必要があるという。現場では、リスクがあるのかないのかなどの自己判断を迫られる場面にいや応なく遭遇する。そんなとき担当者には“目利き”の力が求められる。
 目利きとは@企業の的確な将来予測ができる融資審査能力、A対象企業の創業以来の全記録を選別・分析し特性を把握する特性把握能力、B実態調査による関係者との面談結果を即分析する現場分析能力、C企業のある地域環境から発信される関連情報を把握・分析する地域情報分析能力、を指す。「この4つを実践できれば、会社を守り、自分を守ることになると思います。これは、私どもが信用取引を前提としてお客さまと商売をしている以上、リースマンとして、欠かすことのできない能力ではないかと思います」と語る古場社長。
「フェース ツー フェース」
 さらに、古場社長は目利きを与信判断の上で必要な感性だけではなくもっと広義の意味として使っており、人間本来備わっているはずの感受性を最大限発揮しよう、そんな意味があるという。同時に「フェイス ツー フェイス」、直に取引先の社長に会って意見や今からの方向性を聞くことの重要さも訴える。目利きの中でも社長が事業経営の方向性をどのように思っているのか、また新入社員、担当者とのコミュニケーションの中で、会社の理念、社長の意思が浸透しているのかが重要なポイントで「私の経営理念、経営方針などが1人の落伍者もなく浸透し、一丸となってお客さまのために対応できることが内外的な目利きの営業だと思っています」と話している。
地域との共生、そして変革
 同社の企業テーマは「地域との共生」。その根底にあるのは熊本や鹿児島を愛してやまない気持ち。熊本や鹿児島が好きだから、仕事をするならそこにいる方々のお役に立ちたい、そういう熱い思いにあふれている。平成21年度経営目標は“正確な業務・スピードのある対応、笑顔の応対で、地域と共に輝く未来を切り拓こう”というもの。これは、社員全員に標語を募り、社員の投票により決まった経営目標で、朝礼時全員で唱和しているという。
 「リース、それはお客さまの設備ニーズに対応する金融です。不動産、これも設備ニーズの一つ。カウネットなどの商事も消耗品や備品を供給するわけですから、広義では設備ニーズとして共通しますし、少しずつではありますがお客さまのニーズに応えられるよう事業形態を変えてきました。“変革”私の好きな言葉です。私が社長に就任し感じること、それは前木村社長の経営は変革でありながらもニーズに沿った経営、ぶれない経営、本業重視の経営を行ってきた歴史であるということです。私も熊本、鹿児島で代表的産業である農業や水産業、熊本・鹿児島の自然との協調、いわゆるエコをキーワードにまた、歴史や精神を大切にしながらお客さまに必要とされる企業へ変革していく、ある意味ベンチャー企業であり続けたい」―。
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 九州新幹線全線開通や駅周辺・中心市街地再開発計画など熊本にとって大きな転換期となる今、「愛する地場企業の価値をより一層高め、元気ある企業・地域を創造するエネルギーを発信していきたい」という同社の思いが、この「地域との共生」という言葉に込められている。産業形態が複雑化し、IT環境が急激に発達している中、同社独自のビジネス戦略と地元に広がるネットワークカを生かしながら、熊本の人、物、資金を好循環に導く地産地消のビジネス環境構築に挑戦している。地場企業と共に成長する熊本コーヨーの今後の活躍に注目が集まる。
企業DATA
[所在地] 〒860-0012 熊本市紺屋今町2-1
[TEL] 096-325-3833
[FAX] 096-322-3955
[資本金] 7,000万円
[設立] 1975(昭和50)年9月
[事業内容] 総合リース、不動産事業、CAS事業、ウィルコム携帯電話・事務用品販売など
[代表者] 古場正春社長
[従業員] 32人
[URL] http://www.kumamoto-koyo.com
[出先] 鹿児島支店(鹿児島市中央町13-1)

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※この記事内容は、くまもと経済EX:2009年7月1日発行分の掲載内容です。