トップ Companies くまもと経済EX 2009 富合に拠点開設、“新物流体制”で業界トップを走り続ける
くまもと経済EX 2009

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

■医療・医療関連・教育  ■飲食・サービス 
■金融・保険・卸・流通・小売  ■情報通信・ICT関連  ■電力・運輸・建設・不動産  ■製造・農業 
金融・保険・卸・流通・小売
富合に拠点開設、“新物流体制”で業界トップを走り続ける
潟nウディ
生き残りへ21世紀型経営が姿を現す
 「厳しい経済環境の中で生き残るためには、会社として常に進化を遂げていく必要がある。そのためには、全社員の力を結集し、広域物流企業を築いていかなければならない」。富永晃夫社長が力を込めるこの言葉を象徴する2千トン規模の冷凍冷蔵物流センターが、熊本市富合町に誕生、ハウディの歴史に新たな1ページが刻まれた。
 創業から半世紀以上にわたり、食のリーディング企業として地域社会に貢献し続ける同社。老舗企業である一方、「その時代の経済環境に素早く対応できる若々しい会社経営を目指している」と富永社長が語るように、時代のニーズを反映したスピーディーな物流体制の確立、それが富合物流センターだ。4月10日に取引先などから100人を招いて開いた落成パーティーで富永征男会長も「業界で生き残っていくためには、富合への物流拠点の開設しかないと思った」と強調。2009年はハウディにとって、強い企業基盤の確立へ大きく前進する年になることは間違いない。
 同センターは、熊本市田崎町など同市内3カ所で賃借している物流倉庫を集約し、業務の効率化を図ることを目的に建設。富合工業団地に所有していた敷地5280uに鉄骨平屋建て、建築面積2032uの建屋を建設し、冷凍冷蔵倉庫および事務所を設置。本社の1500トン規模の物流センターを超える2千トン規模の物流拠点となり、同社の営業エリアである熊本・福岡・佐賀県内への物流機能をさらに強化した。
 同社が目指す21世紀型経営。それは、富合物流センターの完成でいよいよ姿を見せ始めてきたようだ。

富永晃夫社長
とみなが・てるお/上益城郡益城町出身。1940(昭和15)年8月31日生まれの68歳。済々黌高校ー熊本大学教育学部卒。趣味はゴルフ。モットーは「努力と一歩前進」。
同社の最前線、「特販部」により生み出される豊富なPB商品
 学校や工場、病院給食、ホテル・レストランへ安全な食材を送り続ける同社の最前線に存在しているのは、社内にあるメニュー提案部隊の「特販部」だ。流通業者である同社が経営方針として掲げるものは、地産地消のPB(プライベートブランド)、すなわち自社開発商品を軸とした経営。800以上の商品数を持つ同社だが、顧客から満足をもらうためには、近年の生活様式の変化を敏感に察知し商品開発に生かすことを念頭に置いている。そのために特販部では日々、原料の確保から商品完成までを手掛け、今日の食卓に元気と笑顔を与えている。
 同社が取り扱うPB商品は毎年、益城町のグランメッセ熊本を会場に開く商品展示商談会で、メーカーや外食産業・給食関係者・総菜関係者へPRしている。毎年2500人が来場する展示会では、会場内を外食コーナーや給食コーナーなど6つに分け、調理実演や試食などを交えながら商談を進め、「非常食」や少子高齢化で需要の高い「介護食」など幅広い商品を取りそろえている。また、最先端の食情報は取引先への「ダイニング・エキスプレス」、学校給食向けの「ハウディニュース」、総菜向けの「プラスデリ」で最新のニュースを発信しており、顧客へ重宝されている。
「社員の幸せ感なくして、会社の発展はなし」
 優秀な人材育成を会社の最重要課題とする同社の平均年齢は、30歳代前半。若々しくバイタリティ溢れる会社づくりが出来上がっており、ここ数年は毎年15人前後を新規で採用。新入社員には、社内および社外研修を徹底させ、「あいさつ上手な社会人に」、「連絡・報告を怠るな」など人間として必要な基本動作を教え込んでいるそうだ。
 求める人材を「フードビジネス・流通ビジネスに興味があり、食べることが大好きな明るく元気な方」と同社は説明する。
 「顧客第一主義、社員満足第一主義を機軸にした経営が身上。社員の幸せ感なくして、会社の発展はない」。富永社長は温もりのある経営方針で、社員の幸せ感とその先にある感動経営を目指している。
新物流体制で設立50周年へ向かう
 21世紀の流通業界は、淘汰と再編が深化するといわれている。そんな中、同社は九州新幹線が全線開業する2011年に会社設立50周年を迎える。富永社長が生き残りビジョンとして掲げるものは、スピードを持った広域物流企業として「新物流体制」を築くことだという。それが強い企業基盤を築き、食品流通業界や地域社会で確固たる存在感を示す証になるからだ。
 時代とともに変化する食の世界は、消費者のライフスタイルや価値観の多様化で、外食産業へ求められるスタイルも変わってくる。しかし、どんな時代に身を置いていてもハウディという会社が、業界のトップ企業として、ビジネスフィールドの上を走り続けることは間違いないだろう。それは、明確な企業姿勢と将来へのビジョンを持つ富永社長の「時流に乗った経営」、そして社員満足第一主義を追及した「社員との心が通じ合う経営」があるからこそ、言えることだ。
企業DATA
[所在地] 〒862-0967 熊本市流通団地1-8
[TEL] 096-377-2111
[FAX] 096-377-2134
[資本金] 7391万円
[設立] 1961(昭和36)年11月
[事業内容] 外食産業食品流通サービス業(業務用食品卸)
[年商] 133億8千万円
[従業員] 200人
[URL] http://www.howdy.co.jp
[出先] 鳥栖支店(鳥栖市藤木町若桜3-26),福岡支店(福岡市東区箱崎ふ頭5-2-22),北九州支店(北九州市小倉北区西港町62-1),富合冷凍冷蔵物流センター(熊本市富合町釈迦堂501-2)

[採用情報]
現在、登録がありません。
※この記事内容は、くまもと経済EX:2009年7月1日発行分の掲載内容です。