トップ Companies くまもと経済EX 2009 青果物のトータルコーディネートを通じ食を支えるリーディングカンパニーへ
くまもと経済EX 2009

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

■医療・医療関連・教育  ■飲食・サービス 
■金融・保険・卸・流通・小売  ■情報通信・ICT関連  ■電力・運輸・建設・不動産  ■製造・農業 
金融・保険・卸・流通・小売
青果物のトータルコーディネートを通じ食を支えるリーディングカンパニーへ
鞄。本物産
若い活力とアイデアに期待
 「青果物のトータルコーディネートを通じ食を支えるリーディングカンパニーへ」。青果物卸小売、バナナ色付加工などの鞄。本物産(熊本市田崎町、藤本健介社長)が今年打ち出した新たな経営指針だ。
 同社では今年6月、33歳の藤本泰弘常務を専務に昇格させるとともに、31歳の藤本尚之輸入青果部長、藤本高史経理部長をそれぞれ常務に就ける人事を行い、役員に若い力が加わった。
 藤本社長は「常に時代の先を見据えた動きが必要で、そういった面でも若い世代の力を発揮してもらいたい」と話す。役割としては、社長のもと藤本泰弘専務が全体的な業務管理を行い、藤本尚之常務が営業部門の統括。藤本高史常務が主に総務管理を行っていく。
 藤本専務は「私たちには各部門の垣根、そして世代間の垣根をなくし、より風通しのよい企業にしていく役割が与えられていると思います。そうすることで、社員全体が同じベクトルを持ち、お客様が喜んでいただくために何をすればよいかが自然とわかってくると思う」と抱負を語る。
 前述した新たな経営指針も、そうした思いから専務、常務を中心に考え出したものだ。その中に込められている思いを要約すると、
○生産者と消費者をつなぎ、常にニーズと可能性を提案し青果物のブランド化を進める役割をもつ
○新鮮・安全・安心を追及し青果物流通を通じ、地域・農・食を支える社会貢献を行う
○青果物業界において常にトップを目指す気持ちをもつ
○九州という恵みの大地が生み出した
 高い品質の青果物を広く紹介していくといった思いが込められている。昨年創業60年を迎え、年間売上110億円を超える企業に成長した藤本物産。一つの節目から次の躍進に向かうには、それまで以上の活力やアイデアを必要とされるが、バイタリティー溢れる経営指針を見ると、今後も同社の取り組みや発展に注目していきたい。
九州中央支店好調、増床へ
 同社を取り巻く最近の動きとしては、昨年鳥栖市の「グリーン・ロジスティクス・パーク鳥栖」に完成した九州中央支店「セントラルロジスティクスセンター」の増床を9月に予定。九州自動車道を上っていき、鳥栖ジャンクションに差し掛かるとすぐ左手に広がる好立地の工業団地内に位置する同センター。そこでは、1室あたり1728ケースのバナナを加工できる「バナナ室」10基を備えており九州一円への物流拠点として稼動していた。折からのバナナブームなどによって稼動から一年足らずで8割〜9割の稼働率に上昇。急遽増設することを決めた。約660uにバナナ室を新たに5基追加する予定だ。藤本社長は「バナナの需要は依然全国で高い。鳥栖支店の設備拡充で、九州全域への出荷をさらに強化していきたい」と話している。
 同センターには、冷蔵庫2基、加工室2部屋なども設置してあることから、現在のバナナを中心とした加工と物流から、将来青果物流まで枠を広げた拠点として利用することも視野に入れている。同センターの充実は、次の展開へ向けても大きな意味を持つ。
各セクションの特徴生かした企業運営
 新経営指針の中にある「生産者と消費者をつなぎ、常にニーズと可能性を提案し青果物のブランド化を進める」「地域・農・食を支える社会貢献を行う」といった目的を果たすための一端を担うのが、直営店のフレッシュフーズだ。昨年11月に人吉市のマルショク人吉店内にフロア面積は約130uの店舗をオープン。また、今年に入り御船町辺田見のマルショク御船店内に12店舗目となる直営店をオープンした(フロア面積は約85u)。フレッシュフーズでは平均して青果約130アイテムを販売。消費者と直で接することで、ニーズの汲み上げや新たな提案が可能なステージだ。また、全店で取り組みを始めているのは、店舗がある地域の農産物を取り入れる地産地消コーナーの設置だ。契約した生産者が毎日収穫したての農産物や惣菜、調味料などを持ち寄って販売してもらうことで、地域活性や消費者ニーズに対応している。
 そのほかにも、「フレッシュセンター」でのカット野菜事業も着実に実績を重ねる。また、地域拠点としての「フレッシュダイレクト八代事業所」「南阿蘇有機の会」に関しても、今後ソフト・ハード面での強化を視野に入れており「青果物のリーディングカンパニー」を目指す同社の挑戦に淀みはない。
企業DATA
[所在地] 〒860-0058 熊本市田崎町414-12
[TEL] 096-354-1335
[FAX] 096-353-6452
[資本金] 3,600万円
[設立] 1962年6月
[事業内容] 青果物のトータルコーディネート 1.青果物の仲卸、及び直営販売 2.生産地より直接仕入れ・販売 3.輸入青果物の卸 4.バナナの着色加工 5.ドライフルーツ類の卸 6.青果物の加工業務
[年商] 122億2,500万円(09年度グループ計)
[代表者] 藤本健介社長
[従業員] 280人(グループ計)
[URL] http://www.fjmt.co.jp
[出先] 直営店:熊本交通センター,サンリブくまなん店,くまもと阪神,マルショク薄場,マルショク芦北,サンリブ子飼 サンリブ清水,マルショク泗水,サンリブ武蔵ヶ丘,熊本生鮮市場みずき台,マルショク人吉店,マルショク御船店 支店:九州中央支店
[関連企業] 泣Pイ・エフ物流,潟tレッシュダイレクト,鞄阿蘇有機の会

[採用情報]
現在、登録がありません。
※この記事内容は、くまもと経済EX:2009年7月1日発行分の掲載内容です。