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くまもと経済EX 2009

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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医療・医療関連・教育
ビジネス支援図書館を活用した産学連携の読影事業
潟純Cズ・リーディング
富士フイルムメディカル、熊本大学放射線医学教室と連携
 県内で初めて読影(画像診断)を法人事業とした潟純Cズ・リーディング。医療の現場で慢性化している放射線科医師の不足を補うサービスとして地域医療界からの期待を集め、県内15カ所の医療施設との契約に至っている(09年7月現在)。同社の読影システムにおいて、医療施設から読影を依頼された画像は同社運営の熊本大学放射線医学教室連携画像診断センター(熊本市南熊本3丁目、くまもと大学連携インキュベータ内)に専用回線を通じて送信される。画像診断センターのサーバーに蓄積された画像は本社の読影用PCから閲覧され、振り分け担当医師が1次読撮医を選び、画像を振り分ける。1次読撮レポートはさらに2次読撮医のチェックを受けるため、レポートの質を高水準で維持することができるという。なお同社の読影システムは富士フイルムメディカル梶i東京都港区)と共同開発したもので、画像閲覧でのデータ送受信は専用回線を使っているため情報漏えいのリスクはないという。
 現在、熊本大学放射線医学教室に在籍する6人の医師が同社と協力関係を結んでいるが「さらなる読影の効率化、レポートの高品質化を目指すため協力医の確保は続けていく」と中山社長は話している。

中山善晴社長
なかやま・よしはる/熊本市出身、1970年1月27日生まれの39歳。熊本大学大学院医学研究科博士課程修了。95年医師免許取得、2000年放射線科専門医資格取得。同大医学部付属病院、国立療養所再春荘病院、健康保険人吉総合病院などに勤務した。趣味は読書(歴史小説など)とお酒。
「図書館で夢を実現しました大賞」優秀賞受賞。起業家支援も
 熊本県立図書館などでは図書館が持つ情報や司書によるレファレンス(検索などの意)などを利用したビジネス支援「ビジネス支援図書館」の取り組みを推進しており、近年では中小企業診断士による無料相談会やセミナー開催などの活動を行っている。「現在の事業モデルが実現したのは図書館を活用したことがきっかけだった」と話す中山社長は、富士フイルムメディカルや熊本大学放射線医学教室との連携のアイデアをビジネス支援図書館の活用により得ることができたという。同社の図書館活用事例は新規性・社会への貢献度・図書館の活用度において優れているとして、「鳥取県の21世紀の図書館を創る会」(主宰・鳥取県立図書館)が設けた「図書館で夢を実現しました大賞」で優秀賞を受賞した。
 現在、中山社長は事業の傍ら、ビジネス支援図書館の中心メンバーとなって起業家らへのバックアップにも取り組んでいる。「多くの悩みを抱えがちな起業家のため、問題解決の糸口になるような情報提供をしていきたい」と抱負を語った。
企業DATA
[所在地] 〒861-5514 熊本市飛田3-10-21
[TEL] 096-342-7878
[FAX] 096-344-0202
[資本金] 200万円
[設立] 2007年7月
[事業内容] 遠隔画像診断サービス、画像診断コンサルティング、画像診断セカンドオピニオンサービス、CT・MRI撮影技術指導
[代表者] 中山善晴社長
[従業員] 4人
[URL] http://www.ysreading.co.jp
[E-Mail] yosiharu156@lily.ocn.ne.jp

[採用情報]
現在、登録がありません。
※この記事内容は、くまもと経済EX:2009年7月1日発行分の掲載内容です。